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野鳥観察の楽しみ

2009年02月03日

身近な野鳥 「小さなキツツキ、コゲラ」

野鳥観察の楽しみ(七十七)

東広島の野鳥と自然に親しむ会
環境カウンセラー(環境省登録)
 新 名 俊 夫
 ▲写真上はコゲラ('09.1.17.西条町)〔Nikon D300, AF VR-Nikkor 80~400mm, 1:4.5~5.6D, 1/160秒,f/6.3,ISO400,トリミング〕
     

「タッタッタッタッタッタッタッ!タッタッタッタッタッタッタッ!」軽快なリズムで木の幹を叩く音が聞こえる。コゲラのドラミングだ。賑やかなエナガの集団がやって来た後、やや遅れて2羽でやって来た。松の幹に縦に止まり、くるくる横に廻りながら餌を捕っている。

コゲラは一年中見られる留鳥で、秋から冬にかけては、エナガの大群の中に混じって共に行動していることが多い。これを混群といい、他にシジュウカラやヤマガラなどが1羽から数羽、多くの場合混じっている。

コゲラはキツツキの仲間では最も体が小さく、スズメくらいの大きさである。背中は黒褐色で白い斑点が横に並び縞状に見える。下面は薄汚れた白色だが、胸の横から脇にかけて褐色をした縦斑がある。雄には後頭部に赤色の小斑があるが普通は見えない。

池のほとりの松林にやって来た先ほどのコゲラは「ギィーッ!、ギィーッ!」とドアが軋むような鳴き声を残しながら、エナガの大群の飛び去った方向へ後を追うように消えていった。本当にあっと言う間の出来事で、満足のいく写真も撮れなかった。

(2009年2月2日記)

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2009年01月05日

身近な野鳥 「お久しぶりホオジロハクセキレイ」

野鳥観察の楽しみ(七十六)

東広島の野鳥と自然に親しむ会
環境カウンセラー(環境省登録)
新 名 俊 夫
    
ホオジロハクセキレイ雌('08.11.22.西条町)〔Nikon D300, AF VR-Nikkor 80~400mm, 1:4.5~5.6D, 1/1000秒,f/6.3,ISO800〕
    
ハクセキレイ幼鳥('08.11.22.西条町)〔Nikon D300, AF VR-Nikkor 80~400mm, 1:4.5~5.6D, 1/1600秒,f/6.3,ISO800,トリミング〕
     

 東広島市でホオジロハクセキレイに久しぶりに出会った。11月下旬、旧国道2号線沿いで街の中心から約2km離れた自動車販売店の店先だ。連れのハクセキレイ幼鳥と2羽で駆けるように素早く歩き廻りながら餌を探している。7~8mは人に近づくが、写真を撮ろうとするとだんだんと遠ざかる。とうとう裏の田に逃げて行った。

 国内にはハクセキレイの亜種が5種いるようだが、私はまだハクセキレイとホオジロハクセキレイの2種しかお目にかかっていない。ホオジロハクセキレイは以前、大沢田池の近くで冬になると見かけていたが、姿を消してから、もう20年近くになる。

 ホオジロハクセキレイは顔全体が白く、ハクセキレイの様な黒い過眼線がない。頭、背、腰、尾が黒く、下面は白い。胸に黒斑がある。雌の冬羽では背が灰色になることがあるそうだが、上の写真も灰色である。長い尾を上下に振るしぐさは他のセキレイ類と同じである。

 もう一羽も肉眼では顔全体が白いホオジロハクセキレイの様に見えたが、写真で見ると頬から上が淡灰色、目の後ろに過眼線のような白い線がある。ハクセキレイの幼鳥のようだ(写真下)。写真上のホオジロハクセキレイは、目の後ろ少し離れた所に小さな黒斑があり、ハクセキレイの名残を留めているように思われる。

(2008年12月31日記)

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2008年12月01日

身近な野鳥 「馴染み深いウミネコ」

野鳥観察の楽しみ(七十五)

東広島の野鳥と自然に親しむ会
環境カウンセラー(環境省登録)
新 名 俊 夫
    
写真はウミネコの成鳥('08.11.16.安芸津町)〔Nikon D300, AF-S Nikkor ED600mm, F4DⅡ,1/2500秒,f/6.3,ISO800,トリミング〕
     

カモメの仲間のウミネコは東広島で見られる最も馴染み深い海鳥である。安芸津町の高野川河口に行けば、6月後半から7月を除いてほぼ一年中見る事ができる。潮があれば、どんなに浅くとも必ずやって来て、水浴びをする。

ウミネコは集団性が強く、いつも20~40羽の群れでいる。水浴びに飽きて誰かが飛んで行くと、みんな飛んで行ってしまい、沖に係留してある漁船や、ブイの上で休むか身繕いをする。飛んでいるとき「ミャー」と鳴くことがあり、ネコの鳴き声に似ているのでその名が付いた。

成鳥はハシボソガラスくらいの大きさで、背中は暗青灰色をしている。頭の色は夏には白く、冬には薄い褐色が混じる。黄色い嘴の先に赤と黒の斑紋があり、足が黄色なので、他のカモメの類と容易に区別できる。

営巣地は出雲大社の近くの経島(ふみしま)が良く知られている。しかし、繁殖のできる成鳥になるまでには3~4年かかり、それまでは全体的に赤褐色や灰色をしていて、嘴は青味がかった黄色で、先端部分に黒い斑紋が付いている。

('08年11月29日記)

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2008年11月04日

身近な野鳥 「大きなガンのオオヒシクイ」

野鳥観察の楽しみ(七十四)

東広島の野鳥と自然に親しむ会
環境カウンセラー(環境省登録)
新 名 俊 夫
    
写真はオオヒシクイ('08.10.16、八本松町)〔Nikon D300、 AF-S Nikkor ED600mm、1:4DⅡ,1/1250秒、f/6.3、〕
     

国の天然記念物であるヒシクイが八本松町原に突然現れたとの情報が10月14日に入る。広島県では珍しい鳥で、今まで3回しか観察されていない。翌朝夜が明けると同時に現地を訪れる。この日はものすごい濃霧だったがすでに飛来していた。

ヒシクイは最近四つの亜種に細分類されている。仲間が日本鳥類保護連盟本部にさらに詳しい同定を依頼したところ、この鳥はオオヒシクイであると言う。オオヒシクイは日本海側に主に分布し、太平洋側への飛来は珍しいらしい。

オオヒシクイはマガンに似ているが一回り大きく、首が長い。特に、嘴が黒色で、先端近くが橙色をしている。亜種ヒシクイとの違いはオオヒシクイの方が嘴が長く、下嘴が薄い、嘴の上部の線がおでこの線と一直線につながっていることだ。

この2羽のオオヒシクイは多分番(つがい)であろう。いつも行動を共にしている。毎朝夜明け前にやって来て、田んぼの落ち穂を絶えず食べ続け、午前8時頃になると決まって何処かに飛んで行ってしまう。夜はどこかの池の中で寝るのであろう、胸にヒシの実や、水藻を付けていた(写真右)。

('08年10月29日記)
 このオオヒシクイは私の映像がNHKのアイラブビデオで放映されました。

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2008年10月02日

身近な野鳥 「幼鳥コウノトリの冒険」

野鳥観察の楽しみ(七十三)

東広島の野鳥と自然に親しむ会
環境カウンセラー(環境省登録)
新 名 俊 夫
    
写真はコウノトリ('08.8.29、志和町)〔Nikon D300、 Nikkor VR80-400mm、F/4.5-5.6D,1/400秒、f/5.6、〕
     

東広島市の志和町にコウノトリがやって来た。早速発見者のTさんに案内してもらう。「昨日はこの辺りにいたのに、何処へ行ったのだろう。」と平野部ばかりでなく、谷筋まで探してもらうがなかなか見つからない。

もう飛び去ったのだろうかと諦めかけたとき、遠くの稲穂の向こうに頭が見えた。近づいて見ると、昨日の地点から約1kmも離れた休耕田で、近くには工場や民家が点々とある。コウノトリは絶えず歩きながら餌を啄み、時々、カエルやバッタを食べている。足輪にJ0006とあり、今年6月22日に巣立ったばかりの雌の幼鳥で、長崎までの冒険の帰りのようだ。

コウノトリは姿や形、それに体長も鶴に似ていて、昔の人にはよく間違われたようだ。しかし、黒い嘴は鶴より太くて長い。目の縁が赤い。長い足は淡紅色。体は白色で翼の先から後側(風切)が黒い。

コウノトリは国の特別天然記念物に指定されたが、国内での自然繁殖が一度途絶え、兵庫県豊岡市で人口繁殖により生まれたものが放鳥されている。飛来したコウノトリの親は共に2004年生まれで2006年に放鳥され、昨年も自然の中で巣作りをしているが、今年初めて一羽の子育てを成功させている。

('08年9月17日記)

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2008年09月02日

身近な野鳥 「干潟のキアシシギ」

野鳥観察の楽しみ(七十二)

東広島の野鳥と自然に親しむ会
環境カウンセラー(環境省登録)
新 名 俊 夫
    
写真はキアシシギ('07.8.26、安芸津町)〔Nikon D100、 Nikkor ED600mm×1.4、F/5.6S,1/320秒、f/9、+0.3EV〕
     

 内陸部ではめったに観ることができないキアシシギが安芸津の高野川河口に拡がる干潟では、渡りの時期、普通に見られる。仲間といることが多く、8月27日の観察時には4羽の群れで、幼鳥も混じっていた。

 他に、ソリハシシギ2羽、シロチドリ9羽、イソシギ2羽、トウネン幼鳥2羽を確認した。近くにウミネコが67羽、水浴びをしたり休んだりしていた。この時期、大沢田池からは姿を消しているカワウが2羽しきりに餌を捕っていた。

 キアシシギはソリハシシギよりやや大きく、シロチドリやイソシギよりかなり大きく見える。真っ直ぐに長い嘴、頭から体の上面は灰褐色、顔から首にかけては白地に灰褐色の縦斑、胸から脇は横斑、白い眉斑、腹と下尾筒は白い。名前のとおり足の色が黄色。

 満潮時には他の鳥たちと一緒に牡蠣いかだの上で休み、干潟が現れると、主に蟹を捕っている。じっとしていて、蟹が巣穴から出てくるのを見つけ、素早く駆け寄って捕まえる。穴に逃げ込まれても、嘴を差し込んで捕食する。

 

(2007年8月29日記)

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2008年08月31日

身近な野鳥 「ブッポウソウの子育て」

野鳥観察の楽しみ(七十一)

東広島の野鳥と自然に親しむ会
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新 名 俊 夫
    0808buppouso02.jpg
写真1(‘08.7.19。東広島市)〔Nikon D300, AF-S Nikkor ED600mm, F4DⅡ×1.4,1/640秒,f/6.3,ISO400,トリミング〕
     
0808buppouso01.jpg
写真2(‘08.7.11。東広島市)〔Nikon 100, AF VR-Nikkor ED80-400mm, 1:4.5-5.6D, 1/1250秒,f/5.6, ISO400,トリミング〕

 東広島市にブッポウソウが来ているのを確認されたのが5年前、すぐ巣箱を近くに住む会員たちが設置した。しかし、その巣箱は利用されないままだった。次の年(2005年)2月、巣箱をあらかじめ10数か所設置した。5月にはブッポウソウがその内の一か所を利用し、7月には無事雛が巣立っていった。

 同じ場所の巣箱を利用し始めて今年で4年目になる。さらに、巣箱の利用数も数か所に増加した。ある巣箱からの巣立ちを今年こそは観ようと数日通い、雛が巣箱の穴から上半身を出し、ゼエッ、ゼエッ、ゼエッ、ゼエッと餌をねだるところ(写真1)まで確認した。親はもう餌を与えていない、巣立ちが真近い。

 ブッポウソウは東南アジアからやって来る夏鳥である。暗青緑色の顔と頭、嘴と足が赤く目立つ。体全体が青緑色で翼に白斑がある。大きさはハトよりやや小さい。親鳥は子育て中、見晴らしの良い高い木の先や枝に止まり、昆虫を見つけては空中捕獲する。巣の近くの電線や木に一旦帰り、あたりを警戒しつつ餌をさばいてから雛に与える(写真2)。

 巣立ちが予想される日と次の日は用事があり行けなかった。3日後の早朝、現場を訪れたがもぬけの空で、辺りにもブッポウソウの姿はなかった。無事巣立ちしたものと安堵すると同時に少しさみしさが心をよぎった。

(2008年7月30日記)

2008年12月31日一部訂正

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2008年07月01日

身近な野鳥 「お寺のアオバズク」

野鳥観察の楽しみ(七十)

東広島の野鳥と自然に親しむ会
環境カウンセラー(環境省登録)
新 名 俊 夫
   0807aobazuku.jpg
写真はアオバズク。(‘08.6.14。東広島市西条町)〔Nikon D300,          AF VR-Nikkor ED80-400mm, 1:4.5-5.6D, 1/100秒,f/8, ISO400,トリミング〕

あたりが暗くなってくると、ホホッ、ホホッ、とやさしい声が聞こえてくる。東広島市の町なかの、或るお寺の境内。アオバズクが今年もやってきた。市の都市化は著しく、中心街は高いビルで埋め尽くされ、夜も明々と灯がともされる。

お寺の方は今年も来てくれるだろうかと心配されていたが、やって来た。今年で見納めになるかも知れないと、6月の中旬、お寺の子供会の人たちに、一人ずつそっと観てもらった。お昼寝をしていたアオバズクは厳しい目でこちらを睨んだ(写真)。

アオバズクはフクロウの仲間で、初夏東南アジアからやって来て子育てをする。黒褐色の顔と丸い頭、大きな丸い目は金色。胸や腹は白地に茶褐色の縦斑がある。昼間は大きな木の枝で休み、夜行動する。

大正の末期に植えられたと言うセンダンの大樹、地上4mくらいの所に大きな空洞がある。損傷が激しく、入口にひさしをつけてあるが、ここ2年は巣として使われていないそうだ。今年こそは、この雄の呼びかけに応えてくれる雌が現れてほしいものだ。

(2008年6月27日記)

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2008年06月02日

身近な野鳥 「大きなシギのホウロクシギ」

野鳥観察の楽しみ(六十九)

東広島の野鳥と自然に親しむ会
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新 名 俊 夫
0806hourokushigi01.jpg  
0806hourokushigi02
写真は上下ともホウロクシギ。('08.4.25。東広島市安芸津町)〔Nikon D300, AF-S Nikkor ED600mm, F4DⅡ×1.4,1/1000秒,f/8,ISO400,トリミング〕

大型なチュウシャクシギの傍に、さらに大きなシギがいる。大きく下に曲がった嘴、長い足、体全体が褐色に見える(写真1)。大きさも姿も良く似たホウロクシギかダイシャクシギのどちらかだ。じっくりと観察を続ける。羽を開いた。裏が褐色をしている。ホウロクシギだ(写真2)。裏が白いとダイシャクシギ。

内陸部の旧東広島市では今までホウロクシギの記録はなかった。しかし、昨年8月沿岸部の安芸津町で初めて報告された。これは広域合併のお陰である。私もこれを観察できたし、今年4月にも会えたのである。

ホウロクシギとダイシャクシギの区別は、羽の裏を観るのが確実であるが、他に、尾筒(お尻のあたり)が上下とも褐色であるとホウロクシギで、上下とも白いとダイシャクシギである。また全体的にホウロクシギの方が褐色味が濃い。

ホウロクシギは絶滅危惧種に指定されている。飛来数が少なく、また、旅鳥のため広島県を通過するだけなので、目に止まるチャンスが少ない。同じ旅鳥のダイシャクシギはレッドデーターブックに記載はないが、広島県での観察例はもっと少ない。

 

(2008年5月31日記)

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2008年05月02日

身近な野鳥 「国賓級の来訪者コクガン」

野鳥観察の楽しみ(六十八)

東広島の野鳥と自然に親しむ会
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新 名 俊 夫
0805kokugan.jpg  
写真はコクガン(‘08.4.11。広島県廿日市市)〔Nikon D300, AF-S Nikkor ED600mm, F4DⅡ×1.4,1/1000秒,f/8,ISO400,トリミング〕

国の天然記念物に指定されているコクガンが地御前海岸にいると連絡が入った。国賓級の来訪で、広島県にとって17年振り4回目のはずである。T氏の確認も得て、報道機関に連絡すると、すぐ現場に急行するとのこと。

海岸には記者の方が先に到着している。コクガンのことについて矢継早に質問される。通常は北海道や東北地方の限られた場所にのみ飛来して越冬する。それに、個体数も多くなく、絶滅危惧種に指定されている。そのような貴重な鳥がどうしてここに来たのか。         

コクガンは一緒にいるカモ達よりも大きく、頭から首、背中にかけて黒い。尾筒が真っ白く目立ち、脇腹は白地に焦げ茶が混ざる。首に白い輪のように見える斑がある。首の前側上部の白斑の中には黒色の斑点が見える。首はあまり長くない。

コクガンは九州や山口県、鳥取県で迷鳥として記録がある。このコクガンも迷って廿日市市より南に行き、越冬を終わり、今一緒にいるヒドリガモ達と共に帰路の途中なのかも知れない。無事に極北の地まで帰り着いてほしいものだ。 

(2008年4月17日記)

*このコクガンはNHK総合で4月11日午後6時半と9時前に放送され、中国新聞4月12日朝刊第1面に紹介。読売新聞には4月13日朝刊に掲載された。

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2008年04月02日

身近な野鳥 「山裾のシロハラ」

野鳥観察の楽しみ(六十七)

東広島の野鳥と自然に親しむ会
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新 名 俊 夫
0804shirohara.jpg  
写真はシロハラ(‘08.3.2。東広島市八本松町)〔Nikon D300, AF-S Nikkor ED600mm, F4DⅡ,1/500秒,f/8,ISO400,トリミング〕

この冬はシロハラによく出会う。久しぶりに寒い冬のお陰ではないかと思っている。その他、ミヤマホオジロ、キクイタダキ、ビンズイ、ルリビタキもそうである。ツグミの数も近来稀に見る多さである。

それに、トラツグミがすぐ近くの山裾に来た。今日もそれを見に谷あいの集落を訪れた。トラツグミはいなかったが近くにシロハラがいた。その向こうにツグミもいる。すると、シロハラが足早に近づき襲いかかる。ツグミも飛び上がり取っ組み合いになった。

シロハラはツグミの仲間で、姿や形、歩く姿もツグミによく似ている。しかし、よく見ると、シロハラは腹が白い、目の周り(アイリング)が黄色く、背中が暗い淡緑褐色に見えるものが多い。ツグミは目の上に淡黄白色の眉斑が目立ち、胸から腹にかけて、白地に黒い斑点が多くある。それに背中が赤褐色に見えるので区別できる。

シロハラもツグミ同様に地面の昆虫や虫を食べているようだが、開けた広い田んぼではツグミしか見かけない。しかし、このような山の近くの田や畑ではシロハラが来ているので、時々このような争いが起こる。ツグミ同士では取っ組み合いを見たことがないのに、どうしてだろう。

 

(2008年3月2日記)

2008年03月15日

身近な野鳥 「大きな群れのミヤマガラス」

野鳥観察の楽しみ(六十六)

東広島の野鳥と自然に親しむ会
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0803miyamagarasu.jpg  
写真はミヤマガラス(‘08.2.3,東広島市原)〔Nikon D300, Nikkor ED600mm×1.4, F/5.6S,1/800秒,f/11,トリミング

この冬は時々雪が降り、5cm以上も積もる日が何回かあった。2月3日はやや少なく3cmの積雪。雪の中のミヤマガラスは綺麗だろうと思い、原地域を探した。幸い1月25日にいた場所の近くにいてくれた。

ミヤマガラスは電線に集団で止まるので見つけ易い。電線の上ではじっとして休むこともある(写真)が、ほとんどの時間を身繕いに使っている。時には頭をさげ、次に尾を高くあげ、扇のように広げてカラララ、カラララと鳴く。動作の割には小さな声である。

ミヤマガラスは普通のカラスと見過ごされ易いが、大きなカラスの群れがいると、ミヤマガラスではないかと疑うとよい。特徴はハシボソガラスよりやや小さく、嘴(くちばし)が尖っていて、根元が白い。おでこがハシブトガラスのように出っ張っているので見分け易い。

ミヤマガラスは冬鳥としてやって来るが、原地区から下見地区にかけてのような広い田んぼで餌を採る。規制緩和が進み、この地域にも家が建ち始めた。このまま開発が進めば、彼らの姿を見られなくのるのではないかと危惧される。
 

(2008年2月19日記)

2008年02月18日

身近な野鳥 「松林のビンズイ」

野鳥観察の楽しみ(六十五)

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0802binzui.jpg  
写真はビンズイ(‘08.1.10,広島大学構内)〔Nikon D100, Nikkor ED600mm×1.4, F/5.6S,1/400秒-f/6.3,トリミング〕

久しぶりに訪れた生態園の松林は綺麗に下刈されていた。足を踏み入れると、小鳥が数羽、地面からサッと飛び立ち、松の枝に止まった。スズメかと思ったが枝の上で尾を上下に振っている。ビンズイだ。

暫くすると、一羽、また一羽と地面に降りている。ゆっくりと近づいてみると、ビンズイは忙しく地上の餌を探して歩き回り、少しもじっとしていない。しかし、上空をヒヨドリが鳴きながら通り過ぎると、サッと身を伏せる(写真)。

ビンズイはタヒバリと本当によく似ている。ビンズイには眉斑の後ろに白色斑があるので区別される。頭から背中にかけてはオリーブ緑色に見え、タヒバリのオリーブ褐色よりやや緑色味が強い。胸から脇は淡バフ色で黒い縦斑がある。

ビンズイは冬鳥としてやって来て、このような開けた林でよく見かける。この時、他にアトリ、シメ、ヒヨドリ、メジロ、エナガ、コゲラがおり、それに細い川からコガモ4羽が飛び立った。近くのブドウ池を覗くと、その周囲の林の一画の立木が綺麗に伐採され、今まで多数来ていたカモが激減しているので驚いた。
 

(2008年1月17日記)

2008年01月08日

身近な野鳥 「内陸部にハマシギ」

野鳥観察の楽しみ(六十四)

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新 名 俊 夫
0801hamashigi.jpg

 
写真はハマシギ(‘07.10.19,18時38分,八本松町)〔Nikon D100, Nikkor ED600mm×1.4, F/5.6S,1/125秒-f/6.3,トリミング〕。

内陸部にハマシギが訪れることは珍しい。シギ・チドリの観察者K氏によると、この11年間で今回が3度目だそうだ。その上、もしかしてサルハマシギかも知れないとの連絡を受け、急いで駆けつけた。

見ると、ハマシギ2羽が今期3度目になるウズラシギ2羽と一緒に、先を争うように、一心に餌を啄ばんでいる。ウズラシギと同様に忙しく歩き回り、頭を絶えず動かしているので、なかなか写真に納まらない。

ハマシギの冬羽は上面が灰褐色に見え、下面は白い。胸は白く、薄い灰褐色の縦斑がある。目の上の白い眉斑がめだつ。黒くてやや長い嘴は少し下方に曲がったように見える。足が黒いので、黄色の足のイソシギと区別できる。

この秋はジシギをはじめシギ・チドリの種類も数も少ない。夏は猛暑が続き、いつまでも残暑が厳しく、秋の訪れが遅かった。これも地球温暖化と関係しているらしい。このたびのハマシギやウズラシギの訪問が気象変動と関係していないことを祈っている。

 

 

 

(2007年10月20日記)

2007年12月10日

身近な野鳥 「ようこそウズラシギさん」

野鳥観察の楽しみ(六十三)

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0712uzura.jpg

 
写真はウズラシギ(‘07.10.11,八本松町)〔Nikon D100, Nikkor ED600mm×1.4, F/5.6S,1/40秒-f/6.3,トリミング〕。

「ようこそウズラシギさん」~5000キロの旅の途中、東広島へ~の見出しで読売新聞10月11日付けの広島版に私の写真が掲載された。秋にウズラシギが旧東広島市内で観察されることは稀で、この11年間でこれが3度目だそうだ。

このウズラシギさん(10月7日発見)は到着間もなかったのか、大変お疲れの様子で、ずうっと眠っていた。しかし、翌日にはいなかった。ところが、11日に1日だけ1羽、18日朝から19日夕方まで別のウズラシギ2羽を確認した。

ウズラシギは全体的に暗赤褐色に見え、下面は白い。胸は薄い赤褐色。頭は濃い赤褐色の地に、黒色斑が縦縞に見える。3回目の2羽は内陸では珍しいハマシギ2羽と連れ添ってきた。この4羽は水田の中で忙しく餌を採っていた。

秋の旅鳥は滞在期間が短く、そそくさと去って行く。そのためか、人の目にとまることが少ない。にも拘らず、その貴重な一瞬に遭遇し、あたかも、秋の夜の流れ星を見たような気がしている。

 

 

 

(2007年10月20日記)

2007年11月05日

身近な野鳥 「上空を渡るハチクマ」

野鳥観察の楽しみ(六十二)

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新 名 俊 夫
0711takabasira.jpg 0711hachikuma.jpg

 
写真上はハチクマの旋回(‘07.9.22,西条町)〔Nikon D100, Nikkor ED600mm×1.4, F/5.6S,1/500秒-f/8。下はハチクマ (‘07.9.22,西条町)〔Nikon D100, AF,VR,Nikkor ED80-400mm, 1/640秒-f/6.3,トリミング〕。

「アッ、出た!」「どこ、どこ、どこ!」「あそこの雲の切れ目から、ホラッ、出るよ!」「これはスゴイ!」「「大群だ! 1、2、3、‥‥‥。」 あたりは騒然となる。毎年観測している竜王山の頂上。

 今年は会員の他に、バードウオッチング入門講座生、一般の方にも参加を呼びかけ、総勢40名弱。頂上は歓声で埋め尽くされる。やっと昼食にかかったところだが、それどころではない。

 発見時は遠くて肉眼では針でついたくらいの点だ。だんだん近づいてくるのを双眼鏡でよく観察して、ハチクマと断定する。多くの群れがわれわれの上空やや西で、旋回し、タカ柱となる(写真上)。高く、高く上り、西南西に向けて一気に流れて行く。

 ワシ・タカの識別は難しい。しかし、ハチクマは幅の広い翼に、スマートな頭をしている(写真下)。下面が白いのだが、上空では黒っぽく見える。この日は他にノスリとサシバが1羽ずつ渡った。いずれもハチクマより小さい。

 

 

(2007年9月24日記)

2007年10月21日

身近な野鳥 「ソリハシシギの渡り」

野鳥観察の楽しみ(六十一)

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0710sorihashishigi.jpg

 
写真はソリハシシギ幼鳥(‘07.8.22,安芸津町)〔Nikon D100, Nikkor ED600mm×1.4, F/5.6S,1/500秒-f/8, トリミング〕。

  今年は残暑も厳しく猛暑が続いている。今日は二十一節気の一つ処暑、新涼が間近いとの事だが、その気配はない。しかし、内陸部ではシギ・チドリたちが早くも動き始めている。沿岸部はどうだろうと安芸津の高野川を訪れた。

 ホウロクシギが1羽、ソリハシシギ2羽、キアシシギ4羽、シロチドリ1羽、コチドリ2羽、イソシギ1羽を確認した。近くでウミネコが26羽水浴びをしていた。この時期のシギ・チドリの中には幼鳥が多い。

  ソリハシシギはキアシシギよりやや小さく、シロチドリやイソシギより大きい。嘴が長く上に反っているのが特徴。頭から体の上面は灰褐色、下面は白い。足の色が橙黄色であるのも足の黒いオオソリハシシギとの区別のポイントとなる。

 中継地での生活は本当に忙しく、常に餌を求めて動き回っている。長い嘴を穴の中に深く差し込み、蟹を捕まえる。泥が付いていると、海水で洗って食べる。渡りには相当なエネルギーが必要で、その補給に余念がない。

 

(2007年8月23日記)

2007年09月06日

身近な野鳥 「渡り始めたコチドリ」

野鳥観察の楽しみ(六十)

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写真は上、コチドリ成鳥(‘04.4.6,八本松町原)〔Nikon D100, AF,VR,Nikkor ED80-400mm, 1/800秒-f/6.3,トリミング〕。下、コチドリ幼鳥(‘07.8.6,八本松町原)〔Nikon D100, AF,VR,Nikkor ED80-400mm, 1/500秒-f/8,+0.7EVトリミング〕。

  今年の夏は猛暑が続いている。しかし、暦の上では8月8日が立秋。こんなに暑くても旅鳥は渡りを始めるのだろうかと心配だった。ところがこの日、西条町の田んぼの溝で、クサシギを1羽見つけた。そして、それは3日後に姿を消した。

 お盆の14日にはコチドリ6羽をクサシギのいた近くで見つけた。成鳥が1羽、幼鳥が5羽。16日までこの1団を確認したが、18日にはいなかった。が、同じ水田にタカブシギを1羽確認。鳥たちは確実に渡りを始めている。

  コチドリはムクドリよりやや小さく、体形はやや扁平にみえ、幅が広い。頭や背中が褐色で田んぼの色にとけ込み見つけにくい。目の回りの金色(アイリングと言う)がはっきりしていて、他のチドリ類と区別し易い。

 しかし、幼鳥はアイリングがはっきりせず、胸の帯が切れているものもいて、シロチドリと似ている。しかし、額部分も褐色、足は黄色をしているので区別できる。コチドリは集団でいるにも係わらず、採餌中、他の個体が近づき過ぎるとピッピッと言って追い払う。

 

(2007年8月20日記)

2007年06月10日

身近な野鳥 「大型シギのチュウシャクシギ」

野鳥観察の楽しみ(五十九)

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写真はチュウシャクシギ(‘07.5.4,安芸津)〔Nikon D100, AF-S Nikkor ED 600mm×1.4,F4D, 1/350秒-f/6.3,トリミング〕

  大形シギが18羽も群れて飛ぶ。ホイホイッ、ピイピイピイピイッと言っているように聞こえる。狭い湾になった河口をくるくると回って、近くの磯に降り立った。チュウシャクシギだ(写真)。ここ安芸津町は2007年2月から東広島市になった。

 チュウシャクシギは冬、遠くアフリカ大陸からインド、ニューギニア、オーストラリアまで移動し、夏はシベリア大陸からアラスカまで渡ると言う。日本には旅鳥として沿岸部を通過する。内陸の旧東広島市内では観察例がない。

 チュウシャクシギは大形なシギで、大きな嘴が下に湾曲している。全体的に薄い茶褐色で、頭が濃い茶色。頭部中央を縦に薄いクリーム色の線(頭央線)がある。主に蟹を食べているようで、足や爪部分を口でもいで胴部分を食べる。

 今年5月はチュウシャクシギとよく逢った。3日に柳井で、4日に安芸津、6日に地御前海岸や八幡川河口で、どこへいっても群れを観ることができた。この時、安芸津で撮影した映像がNHKの I Love ビデオで放映された。

(2007年6月2日記)

2007年05月15日

身近な野鳥 「渡りの途中のサシバ」

野鳥観察の楽しみ(五十八)

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サシバ
写真はサシバ(‘07.4.24,奄美大島)〔Nikon D100, Nikon フィールドスコープ 1000mm相当, 1/10秒-f/13,トリミング〕

 渡りの途中のサシバに出会えた。鳥仲間と4月の下旬、奄美大島の探鳥旅行に出かけた時のことである。住用のマングローブの林にいた(写真)。実はもう東広島市にもやって来ていた。

 サシバは冬、東南アジアで過ごす。日本には夏鳥として本州以南に渡ってきて繁殖する。私は夏には稀にしか会っていないが、秋の渡りのときハチクマに混じって上空を流れるように飛んで行くのを良く見る。

 サシバはハチクマよりやや小さく、飛んでいる姿を下から見ると白っぽい褐色で、翼色が透けて見える。止まっている時には白い眉斑がはっきりしていて、喉に黒褐色の縦斑が目立つ。

 合併して同じ市内となった安芸津町に海辺の鳥を見に行った。そこで逢った鳥仲間のKさんが毎年サシバのやって来ている場所に案内してくれた。幸運にも上空を舞うサシバに会えた。奄美に行く前から来ているとの事だった。 

(2007年5月4日記)

2007年04月02日

身近な野鳥 「用心深いヒクイナ」

野鳥観察の楽しみ(五十七)

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ヒクイナ
写真はヒクイナ(‘07.3.23,東広島市)〔Nikon D100, AF-S Nikkor ED 600mm×1.4,F4D, 1/160秒-f/6.3,トリミング〕

 やっとヒクイナの姿を写真(上)に撮ることが出来た。東広島市の中心地の東を南北に走る中川の水辺。ヒクイナは用心深く、葦の中からなかなか出てこない。出てきてもすぐに逃げ込む。この一週間に5回も足を運んだ。

 夏鳥のイメージが強いヒクイナが冬にいると言う最初の情報は2月末であった。場所は安芸津町、早速出かけて行き、居ることは確認できたが、写真を撮る間もなく葦の中へ駈け込んだ。次に入った情報がこの中川である。

 ヒクイナはムクドリくらいの大きさで、やや長い足が赤い。顔から胸、腹が赤褐色、背中は灰緑褐色、ルビーのような赤い目をしている。あまり飛ばず、速足で逃げる。夏の繁殖期の夜「キョッ、キョッ、キョッ、キョッ、キョッ、・・・」と透き通った声で鳴き続ける。

 私の家の近くの田んぼでは毎年ヒクイナが繁殖していたが、2年前からアパートが建ってしまった。今はどこで繁殖しているのだろうか。もし川の中の葦の茂みに巣をかけるようなことがあれば、大雨による増水で流されてしまう危険があるのだが。

(2007年3月23日記)

2007年03月14日

身近な野鳥 「威勢のよいヒヨドリ」

野鳥観察の楽しみ(五十六)

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ヒヨドリ
写真はヒヨドリ(‘07.2.6,東広島市)〔Nikon D100, AF,VR,Nikkor ED80-400mm, 1/1250秒-f/5.6,トリミング〕

 今も窓の外から、「ピーヨ、ピーヨ。」とヒヨドリの威勢のよい声がする。このところ毎日やって来る。今季、良く実を付けた庭のクロガネモチも、その実はいつの間にかきれいに食べられてしまった。

 街で見かける木でいつまでも実がついている木はセンダンではないだろうか。この実をたいらげるのも大抵ヒヨドリである。しかも大群でやって来て、忽ちのうちに食べてしまう。今年もこの光景を2月の初めに見た(写真)。

 ヒヨドリはスマートな体形で、波状に飛ぶ姿もかっこいい。嘴はピンセットのように先が尖り、赤褐色の頬がかわいらしい。全体が灰褐色で頭は銀灰色。気分の良い時は「ピロリロリ!ピロリロリ!」と歌う。

 多くの人に親しまれているヒヨドリだが、お百姓さんにはあまり人気がない。畑のほうれん草や、葉野菜などを食べて被害を与えるからだ。しかし、この時期、口の周りいっぱいに黄色い花粉をつけて、椿の花の蜜を吸う姿は憎めない。

(2007年3月16日記)

2007年02月20日

身近な野鳥「我がもの顔のカワウ」

野鳥観察の楽しみ(五十五)

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カワウ
写真は羽を広げて泳ぐカワウ(‘07.1.25.大沢田池で撮影)〔Nikon D100, Nikkor ED600mm×1.4, F/5.6S, 1/500秒-F/6.3,トリミング〕

 カワウの大群が大沢田池にやって来た。そして、我がもの顔に振舞っている。池の中での餌とりは勿論、水上でも写真のように羽を広げて休んだり、他の水鳥たちの休憩場所である浮御堂を占領してしまった。
 
 大沢田池にカワウが初めてやってきたのは2002年10月であった。その時は1羽であったが、僅かずつ数を増やして昨年2月には5羽になっていた。ところが今シーズンになると急増し、一度に50羽を超えた。

 カワウは鵜飼に使うウミウと同様、全体が黒色で、細長い嘴は先がかぎ形となっている。しかし、カワウの背中や羽根は黒褐色、ウミウはそこが黒緑色。また、カワウの嘴の付け根の黄色い部分は円いが、ウミウは三角に尖っている。

 大沢田池のカモ類の飛来数が昨シーズンから急に減り、今シーズンも大きく減少している。これは大沢田池周辺の急激な開発と関係していると考えられるが、都市化を物ともせずカワウの飛来数は増加している。今シーズンのカワウの激増の理由が知りたい。 

(2007年1月31日記)

2007年01月20日

身近な野鳥「冠羽を立てるカシラダカ」

野鳥観察の楽しみ(五十四)

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カシラダカ
写真は冠羽を立てているカシラダカ雄(‘05.3.26東広島市で撮影)〔ニコンD100, Nikkor VR 80-400mm, F/4.5- 5.6D, 1/1000秒-F/6.3,トリミング〕

 「ピピチュルピーチュルピピピーピー」と澄んだ細い囀りが聞こえる。広い田んぼの中の農家、その傍の畑にある落葉樹のてっぺんにいる。 ホオジロによく似ているが、よく観ると頭に短い冠羽がある。カシラダカだ!数羽の群でいる。
 
カシラダカはこの冬、なかなかお目にかからなかった。今年になってようやく、正月の7日に初めて休耕田の葦の中にいるのに気がついた。この 時も10数羽の群れでいた。

 

カシラダカはスズメくらいの大きさ、背中は赤褐色で黒色の縞模様、スズメに良く似ている。しかし、スズメにはない目の上の白線(眉斑)が あり、むしろホオジロに良く似ている。尾の付け根上側(上尾筒)は赤褐色で、小さな白色のうろこ模様が特徴。腹は白く、胸から脇に掛けて 赤褐色の縦の斑点がある。
 
この写真を撮っていると、この群が急にざわめき、バラバラに飛び立ち、サーッと静かになった。上空を、彼らを狙うタカ・チョウゲンボウが通 り過ぎていった。彼らは庭木の枝で、暫く息をひそめてじっとしていた。彼らはもうすぐシベリアの方に帰っていく。これからもまだまだ危険 に遭遇することだろう。

(2005年3月28日記)

2006年12月20日

身近な野鳥「大きな嘴ハシビロガモ」

野鳥観察の楽しみ(五十三)

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写真はハシビロガモ雄('05.4.4,大沢田池)〔Nikon D100, AF,VR,Nikkor ED80-400mm, 1/320秒-f/6.3,トリミング〕
 
本年もここで越冬する鴨の顔ぶれがほぼ定まった。その中で数は少ないがハシビロガモの雄は良く目立つ。遠くにいても首から胸にかけて真っ白な部分が人目を引き、また、多くの鴨が眠っている中で、雌雄とも忙しく動き回っていることが多い。

首をのばし、大きな嘴(くちばし)をショベルカーのように使って、水面のプランクトンを濾(こ)しとっている。この長くて幅の広い嘴(くちばし)は生活に適合して進化すると言うダーウインの「進化論」を思い起こさせる。

ハシビロガモは他の鴨たちと同じようにシベリアで繁殖し、秋には本州以南に渡り越冬する。一部北海道でも繁殖している。特徴は大きな嘴(くちばし)。雄は頭、顔、首にかけて紺黒色、光線の具合では紫黒色に輝き、眼は金色。

ハシビロガモのユニークな採餌方法はここ大沢田池で、今年春、他のカモ達にも伝播し、マガモ、カルガモ、ヒドリガモの一部が、首を前に伸ばし、嘴(くちばし)を水平にして、水を濾し採っていた。餌が減るのでハシビロガモにとっては迷惑だろう。

(2006年11月29日記)

2006年11月20日

身近な野鳥「アメリカヒドリの初飛来」

野鳥観察の楽しみ(五十二)

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▲ 写真はアメリカヒドリ雄('06.10.17,大沢田池)〔Nikon D100, Nikkor ED600mm×1.4, F/5.6S,1/125秒-f/5.6,〕

  アメリカヒドリがいる! 鴨の飛来を今か今かと待ちわびていて、やっとその日が来た。上機嫌でヒドリガモをカウントしていて、突然彼を発見した。しかし、なかなか頭を上げてくれない。移動で大変疲れている様子だ。

 アメリカヒドリは北アメリカ大陸北部で繁殖し、南部~中央アメリカに渡って越冬する。日本はコースから外れていて稀に飛来する程度、大沢田池では観察されたことがなかった。しかし、今年1月三永水源地で1羽確認されている。

 アメリカヒドリの雄は前額から頭央にかけて灰白色、眼の周囲から後頭部と後頚にかけて金属光沢のある濃緑色。一方、ヒドリガモの雄の前額から頭央にかけては黄色。顔や頭、頚が赤茶色なので容易に識別できる。雌はヒドリガモの雌に似ている。

 このアメリカヒドリはいつも遠くのヒドリガモたちに混じっていて、なかなか近くに来てくれない。用心深いのであろうか。しかし、10月16日飛来以降居ついているようだ。ここで越冬してくれると嬉しいのだが。

(2006年10月29日記)

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2006年09月20日

身近な野鳥「秋のタカブシギ」

野鳥観察の楽しみ(五十)

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タカブシギ
写真はタカブシギ('04. 9.13,東広島市で撮影)〔Nikon D100, VR Nikkor  80~400mm,1:4.5~5.6D,1/320秒-f/6.3, 露出補正+1.0,レイヤー補正〕

 毎年、秋の渡りの時期、旅鳥のタカブシギは残暑きびしいうちから姿を表わし、冬寒くなるまで、次から次へとやって来て、三日から一週間でいなくなる。一集団は多くても10羽くらい、比較的分散している。
 
 珍しい鳥は大抵、このような常連(タカブシギ、ムナグロ、コチドリなど)の群れが入れ替わる時見つかる。普通に見られる鳥の観察をしっかりとしていると、珍しい鳥にも出会える可能性が高くなる。

 タカブシギは浅く水をはった水田で、忙しそうに餌を啄(つい)ばんでいることが多い。体は褐色から灰色で上面に白色の斑点がある。目の上に白い眉斑があり、クサシギとの識別のポイントとなる。

 療養中なのに声が掛かるとすぐ出かけて行っては、体調を崩したり、再入院となった。野鳥観察が出来ないのは辛いが、辛抱が肝心だ。このような時なので、返って、落ち着いて本当に身近な野鳥のお話ができる。 

(2006年8月30日記)

2006年08月20日

身近な野鳥「モズの幼鳥」

野鳥観察の楽しみ(四十九)

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モズ
写真はモズ幼鳥('06. 7.30,東広島市で撮影)〔Nikon D100, AF Nikkor 28~105mm, 1:3.5~4.5D,1/60秒-f/6.3, flash,トリミング〕

 以前このコラムで「モズは留鳥で身近にいる。春から夏に掛けて子育てをしているのだろうが見たことがない。」(No.58、2002.10月号)と書いた。きっと街中から離れた森の中で繁殖しているものと思っていた。

 この7月27日の夜、「庭に鳥が巣を掛けているので見てほしい。」との連絡を受け、早速翌朝伺った。それは座敷から3mはなれたツノハシバミの木の枝、お椀形の巣であった。中は空で、既に巣立っていた。

 突然、「ギチギチギチ!」と威嚇しながら私の頭をかすめる。モズだ。近くに雛がいるはずだ。少し離れて観察する。父親がすばやく木の茂みに入り、すぐ出てくる。この間、「ジイジイジイ!」と餌をねだる声がする。

 雛は2羽、父親は近くにある畑や、イチジクの木から頻繁に餌をとってきては食べさせる。しかし、母親の姿はとうとう見なかった。JR八本松駅近くの山すそに拡がる住宅地の中のことで、このような場所での子育ては珍しいのではないかと思われる。

(2006年7月30日記)