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Women's alternative space in Hiroshima

2007年03月12日

― 人生は50歳から (12)―

ひろしま女性学研究所
代表 高雄きくえ

 「人生は50歳から」といっても、体も頭も「下り坂」なのは確か。その坂を一挙に下るのではなく、ゆらゆら散歩しながら下りたいとも思う。
 そこで、わたしは仕事も関心もこれまで「広く浅く」手をつけてきたのだが、それにも少し飽きたので「狭く深く」やってみようと思うようになった。つまり社会人入学というもので、もう一度大学院で勉強することにしたのだ。今更、と思わないでもないが、苦い思いを引きずっているからだ。
 一応高卒で就職をしたものの、時代の波に誘われて大学に行った。行ったはいいが、大学闘争の残り火がくすぶる田舎大学だったので、その渦中で「学問」というものをしなかった。その代わり、「女」という自分にこだわり始め、ミニコミ発行という仕事につながった経緯はあるのだが。それはそれで、わたしにとっては幸運な出会いであったし、「女とは何か」という「問い」を解くことは楽しくもあった。ここらへんでその「問い」とその過程で持った「問い」を重ねて、「問いを学ぶ」学問というものをしてみようと思う。ガラクタの入ったおもちゃ箱の整理のような感じ。いまだ解いていない「問い」がわたしにとっては『TOY(おもちゃ)』なのかもしれなという駄洒落で、終わります。ありがとうございました。

*今回をもちまして、この連載を終了いたします。一年間ご愛読してくださいました 読者の皆様、どうもありがとうございます。 

 

 

お問合せ先

ぎゃらりー茶房f・広島女性学研究所

広島市中区白島北町16-25

TEL 082-211-0266

Emailkazokusha@enjoy.ne.jp

広島女性学研究所
http://www.enjoy.ne.jp/~kazokusha/

2007年02月20日

― 人生は50歳から (12)―

ひろしま女性学研究所
代表 高雄きくえ

 「共同」作業というのは、何回挑戦しても難しい。ことに、構成員が平等に提案と運営と責任を負うということは難しい。わたしはこれまで女性たちとその試みをしてきたつもりなのだが、「この指とまれ」の「この指」との距離、言い換えれば「思い入れ」がそれぞれ違うからだ。
 当ギャラリィ運営にも再びこの問題が浮上してきた。それぞれ皆仕事を持ちつつ関わっていて、ギャラリィ運営で「1人分の生活費」をまかなえない現状であれば、それも想定内ではあった。
 考えてみれば、女性はいつもこの難問を抱えてきた。男の「誰に食わせてもらっているんだ」という台詞に、歯軋りしながら「働くこと」を模索してきたのだから。しかし「表現する」というアイデンティティに関わる重要な世界は、わたしたちにとっていまのところ「稼ぎ」にはならないけど、欠かすことのできない「場」となったのは確かだ。その思いをお互いにぶつけ合って、いま再び3月からの新体制に知恵を出しあっている。
 1人でできることと、仲間でできることを整理しながら、その両方を楽しめるのも50代からのような気がする。

 

 

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2007年01月20日

― 人生は50歳から (11)―

ひろしま女性学研究所
代表 高雄きくえ
  0701silk1.jpg    初めてのギャラリィ運営はなかなかおもしろいし、ミニライブも何とか定着しそうです 。印刷・出版業界を自分流に歩いてきたのですが、こんなことをするとは思ってもいませんでした。
 アメリカの作家メイ・サートンが残したわたしのお気に入りのフレーズ
 「わたしから年齢を奪わないでください。働いて、ようやく手に入れたのですから」
特に女にとって若さが価値あるものとして語られるとき、わたしはいつもこのフレーズを思い出します。
 20代後半は自営写植業、30・40代は子育てと出版業、50代になってまさしく彼女の言葉がわたし に働いて老いていくことの勇気を与えてくれます。
 昨年12月の展示は「シルクであそぶ草木染の世界」。広島北インターの近くの山間に「からっぽ」という、今でい う古民家をコツコツと工房と喫茶にした宇野淳子さん。
 11月ライブは落語。七色亭紫陽花は50歳から落語を始めたという。「若い」ことより「加年齢」に敬意を払えるひ とと語り合えることはとても気持ちがいいものです。
 
    

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2006年12月20日

― 人生は50歳から (10)―

ひろしま女性学研究所
代表 高雄きくえ
 
     4年前、40歳になって突然歌が天から降りてきたというシンガーソングライター・新屋まりさん。広島中心だが、その後の活躍は目覚しく、CD4枚を発 売、さまざまなイベントには引っ張りだこ、2回目のソロライブもつい最近あった。東京でブティックの店長をしていた新屋さんは、お金持ちの奥様方相手の仕 事に疲れている自分を発見し、故郷の北広島町に舞い戻ったところ、歌が天から舞い降りてきたというのだ。
  現在ギャラリィは、尾留川香世子作品展『Their Stories』。彼女は新屋さんより少し若いが、主婦10年後、突如絵を描きたくなり、いまは陶人形に夢中らしい。子どもを学校に送り出して帰宅まで、 そして子どもが寝静まって、土をこねる、人形を産む生活になって、5年とか。 このお2人には、表現というものの原型があるように思う。生きていく中で溜まってきた澱が、火山が突如噴火するように、自分の中から噴火して表現になっ ていくのかも。だから、そんな日は、誰にでも、50歳過ぎてもやってくる。  
    

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2006年11月20日

― 人生は50歳から (9)―

ひろしま女性学研究所
代表 高雄きくえ

 最初に年齢が50代になると人生の仕切り直しをしたくなる時期だと書いたが、わたしの実感もあながち当たってないわけではないことが、ちらほらと聞こえてくる。
 ある人は、これまでの散乱した知識や思考を論文というものにまとめたいと改めて大学院に行くひと、高齢社会の中でふと今までのパートナーと一緒でいいのだろうかと熟年離婚を実行する人、DV夫にようやく三行半を突きつけ自分の人生を歩こうとする人、女友だちが集えるようなスペース作りをする人…。
 11月2日からぎゃらりぃ茶房fの展示は、坂本雅美さんによる「わたしが出会った『小さなチュニジア』展-シニアボランティア2年間の日々」。坂本さんは2003~2005までJICA海外シニアボランティアとして、北アフリカ・チュニジアに手芸講師として赴任され、帰国後はチュニジア出会ったイスラム文化を研究するために、大学院で勉強しています。
 やりたいときがやりどき。お金も時間も欲望もコントロール可能な50代はまさに華齢時代です。そんな空気もかもし出すぎゃらりぃに是非おいでください。
 11月11日(土)15時から、簡単なチュニジア料理とトークの時間を設けております。
 

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2006年09月20日

― 人生は50歳から  (7) ―

ひろしま女性学研究所
代表 高雄きくえ

 熱い、暑い夏でした。その広島に「ハチロクの風」が吹きました。その風を起こしたのは、8月6日のヒロシマを撮りに来た大阪・写真表現大学生7人です。22歳から40歳までの写真が好きな人々が、当研究所が呼びかけたカメラ・パフォーマンス「2006.8.6 ヒロシマ撮れたて展」に参加してくれたのです。早朝の平和公園、記念式典、さまざまな集会が繰り広げられる非日常的空間とそれでも過ぎていく日常を、これまでヒロシマについて余り考えたことはないという彼らのレンズが捉えました。私も久しぶりに平和公園に行きました。何年ぶりだろう。わたしも3本撮りました(ぎゃらりぃfで展示中)。

 

写して、現像して、展示して…。
8人のヒロシマがここにある。
(ぎゃらりぃf)


 わたしの主テーマが「家族」から「暴力」にシフトしてきた頃から、「ヒロシマ」が気になり始めました。ヒロシマは「原爆という暴力を受けた街」を表しているからです。わたしの関心は、「ドメスティック・バイオレンス(親密な関係の中に起こる暴力)」と「原爆という暴力」の間にはどんな関係があるのだろうか、そのことにあります。つまり憲法24条(両性の平等)と9条(戦争放棄)の関係ということなのですが…。またの機会に。

 

 

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2006年08月20日

― 人生は50歳から (6)―

ひろしま女性学研究所
代表 高雄きくえ

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「写真展『揺-私がインドに惚れるわけ』byもりたひろみ」より

 ぎゃらりぃfは、7月20日から8月1日まで写真展「揺-私がインドに惚れるわけ」です。この7月下旬にインドに旅をされた森田裕美さんの作品が16点ほど展示されています。首都デリー、イスラム教の街アグラ、ヒンズー教の街ジャイプールの市井の人々の表情が、からだを包む彩色豊かなサリーのように、森田さんの視線に優しく包まれて私たちに届いてきます。
 わたしも写真は好きでモノクロに魅力を感じている1人ですが、森田さんのインドカラー写真に「色」のもつ深さも感じます。写せないけど「匂い」や「音」や「息遣い」も一枚の写真から読み取れるのです。モノクロにももちろんそれを感じるから好きなのですが、カラーが「現在」のそれだとしたらモノクロは「超時間」といってもいいかもしれません。
 そして、展示作業をしながら、これは私の仕事の「編集」に似ているなあと思いました。本や新聞づくりと同じなのです。だからわたしにも「やれる!」と思えたのかもしれません。この年になると、これまでやってきたことと大きく違うことはできないけど、多様になるのだと妙に納得したことでした。
    

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