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ユメ十夜

【監督】実相寺昭雄、市川崑、清水崇、清水厚、豊島圭介、松尾スズキ、天野喜孝&河原真明、山下敦弘、西川美和、山口雄大
【主演】小泉今日子、うじきつよし、他

 お伽話などで「夢落ち」というものがあります。「不思議の国のアリス」のように、実は夢でした、で終わる、ちょっと反則のような結末です(それでも「アリス」は面白いですけど)。その点、夏目漱石の「夢十夜」は"こんな夢を見た"で始まる「夢落ち」ならぬ「夢始まり」。何が書いてあっても訳が分からないなんて云わせない、これも反則のひとつかも。
 見た夢を文章にするのは難しい。話して他人に興味を持たせるのも難しい。面白くもない夢の話を聞かされてどう反応したらいいのか困ったこと、あるでしょう?でも漱石の「夢十夜」は不思議な魅力に溢れる連作です。自分が書き残すことが出来なかった夢がそこに書かれているような気にさせられます。その原作を十人十色の描き方で映像にしたのが本作品です。漱石の文章の香りまで伝わった実相寺監督作品、2ちゃんねる語で語りながら実は原作に最も忠実な松尾作品…十編続けて見ると混乱してしまいそうですが、今夜の夢でまた続きを見るのかもしれないですね。

(nao)