この度会社が越してきた広島市の真中あたりに位置する舟入川口町は、比較的、爆心地近くであるにもかかわらず、昔ながらの懐かしい雰囲気の残っている町です。朝は早くから家の前を掃いているおばさん、公園には樹々から懸命の蝉時雨が降り注ぎ、子供連れの若いお母さんは買い物途中で立ち話をし、朝早くから元気いっぱい応対してくださるクリーニング屋の奥さん、見上げるとベランダにはたくさんの毛布が干してあります。大手のクリーニング取次ぎ店にはない何か暖かい人のぬくもりがあるのです。まだ一ヶ月余りしか経っていませんがとても居心地のよさそうな町です。
今朝は早くから花火があがり対岸の住吉神社の夏まつりのようです。住吉神社のお祭りは広島三大祭りのひとつと言われ、祭られている神様は、海運の神様で江戸時代は浅野藩の舟の守護神として信仰されていたそうです。その住吉神社のある住吉町あたりに浅野藩の舟が出入りしていたことから、この地域が「船入(ふないり)」と呼ばれ、のちに「舟入」と記されるようになったとインターネットで調べると記されていました。
しかし我が社のある場所は、住吉神社ではなく舟入神社が氏神さんなのだそうです。会社の前の接骨院の先生はお若いのに毎朝お店の前に盛塩をされています。日本人のよって立つ精神的な基は太陽の恵みに感謝し、土地の恵みに感謝するところから来ていて、太陽の恵みを表現した日の丸は太陽への感謝のシンボル、土地の氏神さまは土地の恵みに感謝するシンボルであり、土地の恵みは、祖先への感謝、今ある命への感謝に通ずるという事をある本で読みましたが、「日の丸」も「神社」も先の戦争のプロバガンダに利用されたため、なかなかその後遺症から抜けきれず素直に祭ることができません。
しかし、新しいこの土地で商売をはじめさせて頂くというこの機会に、今まで無視してきた土地の氏神さまに挨拶にいってこようかと思っています。