子供のころ、風邪を引いたりお腹がいたいと母はウドンを作ってくれた。
僕は昔は梅干しが嫌いでお粥はなんだか好きじゃなかったのでたいていはウドンだった。
その名残りなのかも知れないが二日酔いが酷い翌日はウドンが食べたくて仕方ない。
まだまだ寒いこの季節、前日に日本酒を飲み過ぎたらしく身体がぶち重い。
重い身体と調子の悪い車を引きずるように井口へ向かう。
広電井口駅の前にあるその店に開店前から車で待つ。
開店時間が近付くにつれて似たような客がどんどん駐車場に乗り入れる。
店員さんが暖簾をかけおわると同時に挨拶しながら店内に1番で乗り込む。
二日酔いで重たい身体も久しぶりの美味いウドンにテンションが上がりまくる。
開店してすぐだがテーブル席はほぼ埋まる。
やはり何年か前の讃岐ブーム以来この店の客はいまだに多いみたいだ。
僕自身は五年振りかな? この店は讃岐の名店で修業したのでウドンも旨いし、竹輪天ぷらも美味いから、いつもならぶっかけと竹天にするところだ。
しかし久しぶりの二日酔いを楽しみ為にかけウドンにトッピングでコロッケを頼んだ。
学生から20代の頃はこれが二日酔いの時の定番。
早く来ないか、とドキンドキンする(頭はずきんずきん)
揚げたてのコロッケから登場し、思わず揚げたて熱々に喰らいつきたくなる。
衝動を無理矢理に押さえ込み、ウドンを待つ、ひたすら待つ。
本来、二日酔いにはこの店には梅干しウドンというスペシャルなメニューがあるが今日は昔に戻ってかけ&コロッケなのだ。
そして待ちに待ったウドンも参上。
コロッケをひっそりと乗せて気休めのケータイ撮影をおざなりに済ませてまずはコロッケから噛り付く。
上半分はまだサクサクのコロッケ、熱々ホクホクでやっぱし美味いわ。
余韻残るまま、続けてウドンを啜り、啜り呑みこむ。
口内を熱いウドンが暴れ踊り、必死に咽で噛み切る。
丼を抱え込むひたすらウドンを押し込む。ウドンは戦いだ。
うまい。
温かい汁を啜り飲めば二日酔いで強張った身体にじーんと染み渡り、思わず安堵のため息をついてしまった。
しめたぶっかけウドンももちろんめちゃめちゃ旨いが、こんな日は温かいウドンはそれだけでご馳走に感じる。
ふやけたコロッケを箸でつまむと溶け崩れそうになるのを丼ごと口元に寄せて味わう。
美味い汁を吸った衣とジャガ芋が口の中で優しく広がる。
汁に溶けたコロッケ、その辺りの汁をまた啜り楽しむ。
あー、おいしいな、って落ち着いた気持ちになった。
旨いウドンに調子が出てきて箸が進み始めた。
丼ぶりの熱さが消えぬうちに、汁一滴、麺一本残さず一気に完食した時にはなんだか晴れ晴れした気分になった。
ウドンて、やっぱし良いよね。
讃岐ブームで客が増えてから足が遠退いていたがまた来よう。
次こそはぶっかけ大盛り竹天にしよう。なんてったってこの店の揚げたての竹輪の天ぷらはうますぎる。
いやコロッケも外したくないからカレーウドンにコロッケも捨て難い。
またカレーにあうんよ、コロッケが…。
まあ、考えるんがめんどくさいし、まずは呑んでから決めようか?