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「求めない」、「LIFE」

加島祥造 著 「求めない」(株式会社小学館 発行)、「LIFE」(株式会社パルコ発行)

私と本書の著者との出会い(といってもこちらの一方的な思いこみですが)は、自宅に引きこもって暮らしていた若い頃夢中になった英米文学の翻訳本です。マラマッド、サキ、ラードナーといったお気に入りの作家の作品を翻訳されていたのが彼でした。
引きこもり生活も煮詰まり、私は普通の人よりも10年遅れて、社会に出ることになりました。自宅と会社を往復する生活を続けているうちに、世間擦れしたと同時に、社会に出るまでは考えても見なかったような悩みを抱くはめになりました。そして、それは解決されることなく、自分の中で負のスパイラルを描くばかり。
年が明け、ここ数年しばられ苦しんできた「それ」と「それ」にまつわる全ての事柄とさよならする(一部の仕事さえも…。社長、ごめんなさい)決心をし、それを行動に移しました。そんなとき、加島氏の本と再会したのです。

「求めない すると」…「いま持っているものが いきいきとしてくる」、「自分の声が聞こえてくる」…。(「求めない」より)
かつて、すばらしい英米文学の翻訳で人生というものを疑似体験させてくれた著者が、今度は前とは異なるゆるやかな語り口で、私を励ましてくれているような感じがしました。
「自分がいま ここに在る そのことに 驚ろくとき 君は生きているのだ」(「LIFE」より) (哉)