風薫る五月、本当に爽やかな良い季節です。先日東京で仕事があったのでその帰りに鎌倉に寄った。藤沢から江ノ電に乗り八時過ぎに鎌倉に着き、由比ガ浜に面したホテルに泊まった。朝早く湘南海岸をブラブラ。犬を連れた人たちが毎朝の日課なのだろう散歩をしている。海岸から一歩入った路地には、サーフボードを庭先に置いたモダンな家々。ホテルのマスターに聞くと、この辺はかつて保養所通りと言われ、バブルの頃は企業の保養所が軒を並べていたとか。泊まったホテルも昔はどこかの企業の保養所だったとか。朝食後、ともかく鎌倉駅まで歩き、さてどこを観光しようか思案。観光本も持たず前準備もしていなかったのだが、駅前にレンタサイクルがあり、今日こそサイクリングにピッタリのお天気という事で自転車で回る事にした。レンタサイクル屋のおじさんが丁寧に地図に印を付け、こう行ってこう行くといいよとの言葉に地図を片手に出発。まずは長谷寺。桜は済みアジサイは未だだが、芍薬、シャガ、大コデマリ、椿、様々な山野草たちが迎えてくれた。見晴らし台からは湘南海岸が眼下に見え、太平洋の大海原には幾艘ものヨットが白い帆をたてていた。次にやさしいお顔を前に傾けた大仏様。そこから鶴岡八幡宮に。約千年前源頼朝がこの地に鎌倉幕府の中心として祭られ、今や初詣に訪れる人の数は日本一とか。次は山奥にひっそりとという風情の瑞泉寺、そして竹の美しい報国寺。自転車で風を切って鎌倉の道を走り抜け、はや時刻は三時を過ぎもう帰る時間。鎌倉のほんの少しを味わっただけだが、鎌倉という地に魅せられてしまった。誰かが書いていたが、芥川竜之介が若い頃鎌倉に住んでいて、作家として忙しくなりだして東京に移り住み、最後自殺してしまったのだが、もしあのまま鎌倉に住んでいたら自殺なんてしなかったのではないか、と。多くの作家が鎌倉の地に住まいを定めている。何とも言えない奥深さをそこかしこに感じた。何度も訪れてみたい、いやいつかは住んでみたい地だと思った。