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今月の言葉(12月)

 

「地球の温暖化を憂う」

            ―風彦 

 十二月は師走という。語源は「為果つ(しはつ)月あり、一年の終わりの物事をなし終える」―。
「この月は師(僧侶)と呼ばれるような人々も東西に走り回る」―。との俗説もあり、また、極月(ごくげつ)とも言う(現代俳句歳時記)、歳末らしい季節である。
 俳人・山口青邨の句に、こんな一句があった。
 ―極月の人々人々道にあり
 いつの世も歳末になると、街は人出で賑わう。不景気になればなったで、「Xマス商戦」・「歳末大売り出し商戦」が、よりいっそう激しく、騒然とする。以前、タイのバンコクでこの時期を迎えたことがあった。デパートの入り口に、赤いマントをまとい、トナカイのソリを操り、雪を蹴立てて走るサンタの大きな看板を飾っての歳末商戦を目にしたときは、季節の違和感があった。
 現地の人には暦通りの「歳末風景」だろうが、日本人には、師走といえば「冬の歳末」であるし、これまた「サンタといえば冬のXマス」として体感する。四季列島のなかで生きてきた遺伝子のせいかも知れない。
 広島気象台の資料によれば、昨年の十二月の平均気温は、七・五度。年により気温の変化は微妙な高低現象があるものの、百年単位で見ると一・八度高くなっている。
 気象庁の資料でも、日本は長期的には百年当たり一・一度の割合で上昇。とくに一九九〇年代以降、高温となる年が頻出しており、すでに自然界では、昆虫、植物、渡り鳥、海中の生物にも影響があるという。
 二年前、NHKテレビの番組「NHKスペシャル」では「地球温暖化」を取り上げていた。スーパーコンピュータの予測では、百年後の正月は紅葉の季節。四月は初夏…。モンゴルの草原は砂漠化に―。このまま気象の変化(温暖化)が続けば、当然、四季によってはぐくまれた日本の文化も衰退への道をたどるだろう。日本だけの問題ではなく、人類の危機であることを警告した。これは二百年先か五百年先かわからないが、過去、地球の気象変化で文明国家が滅亡した歴史もある。
 「病める地球」を救うのは、人類の知識と知恵の課題である。「行く年、来る年」の師走の風物詩のなかで考える。

(風彦)