| 身近な野鳥 「夏羽のオオソリハシシギ」 | 2010年07月 |
しかし、背中の色が褐色をしていて、見たいと熱望している雄ではない。さらにその向こうの中州の上を探す。小形のシギやチドリ達が走り回っている。と、その向こう側の水辺に見え隠れする赤褐色の大型シギを発見した。
立派に夏羽へと換羽したオオソリハシシギの雄だ。地元で何度か見たオグロシギの夏羽の姿にそっくりだ。しかし、長い嘴が僅かに上に反っているのでオオソリハシシギに間違いない。やがて、この雄は中州の中央付近まで近づいて来てくれた。そして、下面のほとんどの部分も赤褐色で、部分的に薄っすらと白い模様が入っているのが確認できた(写真)。
飛んだ時、オオソリハシシギは尾の先が白っぽく見えると言う。それを確認しようと思っていたが、近くの鳥たちが何かに驚き、一斉に飛び立ち、一緒に逃げてしまったので、ただ、茫然と見送ってしまった。
(2010年6月30日記)
| 身近な野鳥 「素早く走るメダイチドリ」 | 2010年06月 |
これでは鳥は恐れて飛び去り、いないだろうと思ったが、水の流れている浅瀬に、大型のシギであるダイシャクシギやチュウシャクシギが数羽いた。近づいて見ると、中州にはメダイチドリやシロチドリが人のいない所を走り回っていた。
メダイチドリは夏羽で頭から胸にかけてレンガ色になっているのを3羽見かけたが、冬羽のままや幼鳥の方が多かった。夏羽に狙いを付けカメラで姿を追うが、立ち止まっては走り、立ち止まっては走りを繰り返すので、なかなかうまく捉える事が出来ない。せっかく捉えたと思っても、真っ黒な過眼線が太過ぎ、黒い眼がはっきり見えない。それに走り出すとかなり長い距離を素早く走る。
メダイチドリは小型のチドリで、大きさはシロチドリかそれよりやや大きく見える。走り着くと、地面の穴に先の尖った嘴を突き刺し、中からゴカイのような虫を引っ張り出して食べている。あちこちに走り出して、散らばっていたのに、何かに驚いて辺りのチドリ類が一斉に飛び立った。メダイチドリはメダイチドリだけが集まり飛んで行った。
(2010年5月30日記)
| 身近な野鳥 「叫ぶセンダイムシクイ」 | 2010年05月 |
色や形や大きさ、白くて長い眉斑などウグイスそっくりであるが、腹が白く見える。腹が草色に薄汚れているウグイスと違っている事は分かるが、ウグイス類、とりわけムシクイの仲間は皆よく似ていて識別が難しい。ただ鳴き声だけは特徴があるのではっきりと同定出来る。
私には冒頭に記述したように聞こえたが、一般には「焼酎一杯グイーッ。」などと聞きなされている。ウグイスと同様に声は良く耳にするが、姿を見ることは稀である。特にセンダイムシクイは夏鳥であるので、樹木の葉が茂り姿を隠してしまい、なかなか見る事の出来ない鳥であると言われている。
毎年この時期に行われるバンディングの時に、食べさせて貰うコシアブラの新芽は今春の天候不順のせいでいつまでも寒く、新芽の伸びが悪かったので、とうとう食べさせて頂けなかった。しかし、樹木の葉が出そろっていないのが幸いし、センダイムシクイの姿を写真にも撮り、じっくりと観察も出来た。
(2010年4月27日記)
| 身近な野鳥 「八代のナベヅル」 | 2010年04月 |
前日の午後5時半頃、九州出水のナベヅルと思われる4羽が迷ってここに来たのが確認された。1988年以来22年ぶりの事だそうだ。普通、ツルは一気に朝鮮半島まで飛んで行くもので、途中で寄り道をすることはないと言う。「良いところに来られましたね。」とメールの主。彼は1週間前から北帰行の瞬間を撮ろうとずうっと張り込んでいるとのこと。
ナベヅルは全体的に灰黒色。首から上が純白色で、嘴の根元から頭丁部にかけて、黒色の斑点とそれを囲むように暗赤色の小さな模様がある。目が赤く、嘴は黄灰白~紅灰白色に見える。長い足は黒色。縄張り意識が強く、新入家族の4羽は、昨年11月に来た4羽の家族に執拗に追われ、とうとうその内の2羽は行方不明になってしまった。
メールの主はこの様子を見事に捉え、翌13日朝刊の紙面を飾った。流石、プロの写真記者であると感心した。私のようにナベヅルの姿が撮れれば良いとしか思っていない者には、上の写真がどちらの家族であるか定かでない。昨年12月に1羽来て、それに出水から預かった保護鳥を1羽放鳥しているので、当日は全部で10羽いたはずであるが、私はその内の2家族8羽しか見ていない。
(2010年3月24日記)
追記:10羽の内2羽は行方不明となり、残りの8羽は27日に史上2番目に遅く無事旅立った。(1番遅い記録は28日だそうだ。)
| 身近な野鳥 「首の長いカンムリカイツブリ」 | 2010年03月 |
今日は予め撮影準備を整え、重いカメラを担いで約400m先から歩いて来た。その甲斐あって約30m先の至近距離に彼はいた。今日は丁度休憩中で、足がだるいのか時々片足を上げ羽の横から出してじっとしている(写真上)。
カンムリカイツブリは海、河口、池に来る冬鳥で、遠くから見ると白っぽく見え、頭部は赤褐色の毛がカンムリをかぶっているように見える。背中も赤褐色で、顔や首前方や下面は白く、首が比較的長くスマートに見える。小さな丸い目はまるでルビーのように赤く輝き(写真下)、夏羽では顔後方から咽喉にかけて赤褐色の飾り羽が出る(写真はもう夏羽に換羽し始めている)。大きさはカモくらいあり、普通のカイツブリのほぼ2倍もある。
カンムリカイツブリは以前、賀茂台地には飛来していなかったようで、三永水源地で1974年に3羽、その12年後の’86年に1羽の観察記録があるのみである。しかし、‘88年に26羽が観察されてからは毎年10羽前後飛来している。しかし、他の池にはまだやって来ていないようだ。
(2010年2月8日記)
| 身近な野鳥 「10数年ぶりのイカルチドリ」 | 2010年02月 |
今年は正月が過ぎても寒い日が続いている。このような気候に変化のある年は例年とは違った野鳥が観られるものである。 6日夕刻、その期待通り、10数年振りに近くの池でイカルチドリに出合った。その3日前、大沢田池で見つけたトモエガモを探しているときのことである。
訪れた近くの池はすぐ傍の道路を工事中で、池も堤防を修理したばかりで、鬱蒼と茂っていた樹木はすっかり切り払われている。期待は薄いが念のため覗いてみた。予想外にも少数ではあるがカモ達がいた。トモエガモはいなかったが、カモの種類と数の計測に入った。その時、足元の岸辺の泥の上にイカルチドリが3羽いるのを発見した。
イカルチドリはコチドリに良く似ている。顔から頭にかけての模様や、背中の灰褐色、下面が白く、首輪のような黒い斑紋、淡黄色の足などはそっくりである。しかし、イカルチドリの体の方がやや大きく、黒い嘴もやや長い。目の周りのアイリングもやや色が薄く細い。
私はもう永く近くでイカルチドリに会っていなかった。以前はカモの観察時期に、池の岸辺や、中州のような処でよく見かけていたのに、どうした訳か、この10数年間も見かけなかった。ところが、久しぶりに訪れた三永水源地でも1羽であるが会うことが出来た。しかし残念なことに、その後いくら探しても、イカルチドリは姿を見せてくれない。
(2010年1月28日記)
| 身近な野鳥 「よく目立つホオジロガモ」 | 2010年01月 |
黒瀬町にホオジロガモが来ているとの情報を得て11月2日早速行ってみる。そこは、1.5haくらいの広さの池で、周りは林に囲まれ、西側は樹木が伐採され、丘のように見える。向こう岸には入り江が三つもあり、その真ん中の入り江の一番奥の方にそのカモはいた。ホオジロカモは白と黒の模様をしていてよく目立つ姿なので直ぐに見つけることが出来た。
ホオジロガモはえさを採るでもなく、じっとこちらを注目している。傍に居るカイツブリはせっせと潜り、餌をとっている。ホオジロガモよりも、もっと奥にいたオシドリの番(つがい)はさらに奥の方でこちらからは見えない場所にゆっくりと姿を消した。
ホオジロガモは真っ黒い嘴と真っ黒い顔や頭をしていて、頬に丸くて白い模様がある。背中の中央部は真っ黒であるが脇腹に向けては白地に黒のストライブが斜めに入り洗練されたデザインである。脇から腹、首から腹にかけては純白である。目は金色をしていて、全体の姿は気品があり美しい。
それから二日後に訪れた時には、池の中央部東よりの水面にいて、かなり近いところであったが、慌てて撮影の準備をしている間に、最も遠いところまで逃げられたしまった。三度目は予め撮影の準備をして訪れ、やっと上の写真を撮ることが出来たが、もっと近づいて欲しかった。一羽で居るので警戒心が強いのか、本来持ち合わせた性質なのか知らないが、このまま来春まで居ついてくれれば良いがと願っている。
(2009年12月14日記)
| 身近な野鳥 「大きな冠羽ヤツガシラ」 | 2009年12月 |
きらら浜自然観察公園でアカハシハジロを観察していると、ヤツガシラが常盤公園にいるとの情報が耳に入った。そこは直ぐ近くなので寄ってみることにした。桜の木の下にいるとの話であったので、正面入口から入り、常盤橋を渡って重い三脚を担いで坂道を登った。そこには数人のカメラマンがいた。
ヤツガシラはどこにいるのか尋ね、木の上の葉蔭にいるのをやっと見つけた。カメラマン達は彼の飛び立つ姿を捕えようとじっとカメラを構えて待っている。慌てて私もカメラをセットした。しかし、ヤツガシラはくつろぎ、身繕いをしていて飛び立つ気配はない。カメラマン達には申し訳ないが、お陰でめったに見られない冠羽を立てたところが撮れた。
ヤツガシラはハトより少し小さく、胸から上の部分が橙褐色、普通後頭部には冠羽がたたみこまれていて尖がり帽子のように見える(写真下)。広げると写真上のように実に見事で、名前の由来を想像させる。羽は黒色に白色の太い線模様で良く目立つ。嘴は細長く少し下に曲がっている。小さくて真っ黒い円らな目が愛らしい。
ヤツガシラは昨年の12月6日に西条町三永水源地の芝生の上にいるところを発見されが、直ぐに逃げられてしまったとの事で、私は目にしていない。旅鳥なのでめったにお目にかかれない野鳥である。このように珍しい鳥であるにも拘わらず、常盤公園で会った個体があまりにも人を恐れない様子に驚いたが、これはヤツガシラの気質なのかも知れない。
(2009年11月28日記)
| 身近な野鳥 「迷鳥アカハシハジロ」 | 2009年11月 |
アカハシハジロが山口県にやって来たとの情報が入った。山口県でも初認らしく、勿論、広島県では観察されたと言う報告を聞いたことがない。急いで行ってみる事にしたのが10月28日。10月23日に確認されたそうなので、まだ居てくれればよいがと思いながら早朝から車を走らせた。
きらら浜自然観察公園に9時35分には到着したが、淡水池には既にバードウオッチャー数組が訪れており、盛んにカメラのシャッター音をさせていた。アカハシハジロはホシハジロの群れの中に居り、水中に首を突っ込み、水草のようなものを食べている。集団はやはり、こちらを気にかけているようで50m以上は離れている。
このアカハシハジロは雌で、ミコアイサの雌に良く似ている。頭から背中にかけて茶褐色をしていて、頬から咽喉にかけて淡白色、全体に淡茶褐色をしている。嘴の先が橙色、大きさはホシハジロと同じくらいで、1羽だけなので目を離すとどこに行ったかすぐに見失ってしまう。
アカハシハジロの雄は頭部が赤味がかった橙色、嘴と目が赤くて、首から胸が黒、背中は灰褐色をしている。ヨーロッパでは普通に見られるようだが、日本は飛来地から遥かに離れており、稀にしか見ることができない。しかし、琵琶湖には毎年雄1羽がやってきて、越冬しているし、この様子では、この雌もここで越冬してくれるかも知れない。
(2009年10月29日記)
| 身近な野鳥 「動きの速いトウネン」 | 2009年10月 |
AF-S,600mm,1:4DⅡ,1/250秒,f/6.3,ISO400,トリミング〕
トウネンは動き回るのが速く、カメラの画面になかなか納まらない。これ程近くに来てくれるとは有り難迷惑だ。今まで内陸部ではこのような経験はなかった。しかし、南岩国でもそうであったが、ここ岡山県の玉島でもうれしい悲鳴を上げた(写真)。また、トウネンはついばむ速度も速く、頭を上げ一息入れる僅かな瞬間にシャッターを切らなければならない。そのタイミングに苦労した。
小型シギ類はこんなに早く啄み、何を食べているのかは長年の謎であったが、桑江さんらによるヒメハマシギを対象とした最近の研究で、彼らは干潟の泥の表面にできたヌルヌルの膜(バイオフィルム:微生物膜)を餌としていて、しかも、1日に必要な熱量の約50%を摂取していることが明らかになった。
トウネンはシギ・チドリの中でも最も小さく見え、姿形がよく似ているハマシギより体がやや小さい。嘴の色はハマシギ同様に黒いが、ハマシギより短い。ハマシギの夏羽は腹が黒くなるが、トウネンの腹は白いままである。 両種とも高速で「つつき行動」をし、群れで行動するところもよく似ている。
トウネンはハマシギ同様、春と秋の渡りの時期に旅鳥として観察される。昨日、ヘラシギが玉島に来ているとの情報を得て急行し、彼の出てくるのを一日中待ったが、一度のみ、頭だけこちらに向けた上半身が見えただけだった。その間、足元まで近づくトウネンを充分に観察することができた。
(2009年9月29日記)



