| 身近な野鳥 「カラフルなヤマガラ」 | 2012年02月 |
身近な野鳥「カラフルなヤマガラ」
ヤマガラは留鳥なので一年中見ることができる。特に子育ての済んだ夏から冬にかけて、エナガの大群に混じって、共に行動することが多い。この混群の中には大抵シジュウカラやコゲラも数羽ずつ混じっている。このような混群は森や林の中、公園や街路樹の同じ場所に、ほぼ同じ時刻に毎日巡回してくる。
混群の中でもヤマガラはカラフルで目に付き易い。大きさはスズメくらいで頭と咽喉から胸にかけて真っ黒、少し色の付いた白い(バフ色の)頬。下面は赤褐色で上面は艶のある灰色をしている。足の指先を器用に使って木の実の殻を取り除き食べ、昆虫を指で抑え上手に羽をむしって食べる。この特技は「おみくじ運び」として戦前まで人間のお手伝いをさせられた。
ヤマガラは身近な野鳥なので、この欄には初めころに登場すべき鳥であるが、私の運動神経より先に動いてしまって、なかなかカメラに収まらない。せっかく良い角度で撮れたと思っても、手振れしているのである。愛くるしい野鳥であるが私にとっては手ごわい相手でもある。
(2012年2月1日記)
| 身近な野鳥 「潜りが得意なカイツブリ」 | 2012年01月 |
カイツブリは池や川で良く見かけ、一年中水上で暮らしている。陸上に上がることはまずない。足が体の後ろの位置についていて歩くのが苦手なのだ。足の三本の指は鰭(ひれ)が付いていて大きな櫂(かい)の働きをする。まん丸い眼は金色で、体の上面は茶褐色、下面は褐色をしている。
5月ごろは良くケレケレケレケレ・・・とか、ケレレレレ・・・と鳴く。鳴きながら相手を追っかけて走り廻っていることが多い。昔から鳰(にお)の浮巣と詠まれている ように、葦に繋いだ浮巣を水上に作り、水面の変動に応じて草で造られた巣は上下するようになっている。
雛は生まれると直ぐ泳ぐことができ、親の後を数羽の雛が一生懸命追いかけている姿は微笑ましい。親に追いついた雛は親の背中に登り、羽の下から顔を出す。その内3つも4つも顔が出てくる。雛の顔や頭にはどれも白くて太い縞模様が付いている。
(2011年12月24日記)
| 身近な野鳥 「フライキャッチするコサメビタキ」 | 2011年12月 |
愛くるしい円らな目とその動作からヒタキの仲間だと直感する。体の大きさがスズメよりやや小さく感じられ、目には白いアイリングがある。胸が白一色で斑紋がないのが決め手だ。コサメビタキに間違いない。こんな間近で見られるとは思ってもいなかった。
コサメビタキは夏鳥で、広島県でも繁殖しているようだが、秋の渡りの時期によく出会っている。姿の良く似たエゾビタキやサメビタキと比較して体が最も小さく、エゾビタキは最も体が大きいし、胸に灰褐色の縦斑があるので識別出来る。
この日は秋のタカの渡り調査で西条町の龍王山の頂上展望台に丁度登ってきたところだった。先に登った人が展望台より下方にカメラを構えて盛んにシャッターを切っている。その先にこのコサメビタキがいたのだ。私も急いで2・3枚撮ったが、上空を通過するハチクマに気をとられ、直ぐにコサメビタキのことは忘れてしまった。
(2011年11月30日記)
| 身近な野鳥 「忙しく餌を採るエリマキシギ」 | 2011年11月 |
次の朝は無駄になっても良いと思って、予め写真機を用意し注意深くその田んぼに近づいていった。いる!首から胸にかけて淡い赤褐色をしているシギだ。図鑑で調べると冬羽になったエリマキシギだ。水を張った田んぼの中に嘴を差し込み、忙しく噛むように嘴を動かしながら餌を探している。
エリマキシギの雄の夏羽は首のまわりに濃い赤褐色の大きな襟巻をしていて、その独特な姿は誰が見ても見間違うことはない。しかし、冬羽は襟巻が取れ、首の色も褪(あ)せて淡い赤褐色に変化している。さらに、この個体は羽縁がはっきりし、ひどく擦り切れているので幼鳥であろう。
東広島ではエリマキシギは比較的珍しく、この10年で3回しか報告がない。訪れる頻度も個体数も少なく今回もただの1羽である。このエリマキシギは常に顔を水に浸けるようにして餌を採り続け、なかなか顔を上げてくれない。ここは車1台がやっと通れる農道、じっくり待つことも憚られ急いでその場を離れた。
(2011年10月23日記)
| 身近な野鳥 「貝を食べるオバシギ」 | 2011年10月 |
オバシギはイソシギよりかなり大きく感じられ、背中が茶褐色、羽の縁(羽縁)が一枚一枚白く縁取られているのは第一回冬羽を示し、胸の黒褐色斑が密なのは幼羽が残っているのかもしれない。腰は白い。地面の穴にやや長い嘴(頭の長さと比較して)を突っ込み、アサリを銜(くわ)えて取りだし、海水で表面の砂を落としてから丸のみした。
一方、ソリハシシギは素早く走り、蟹を捕まえては海水で洗いながら食べている。オバシギとソリハシシギはお互いに水際に沿って移動している。そのうち左右からそれぞれ一羽ずつ近づいてきた。ご対面にはどのような事が起こるか固唾をのんで見守っていた。
ところが、お互いの距離10cmもないところをすれ違ったが、何事も起こらず、相手には何の関心も示さなかった。餌の種類がお互いに違うので、近くにいても争いは起こらず仲良く暮らしている。同じ環境をお互いに上手く棲み分け(食い分け)している姿を目の当たりにして、自然界の摂理に改めて感心した。
(2011年9月30日記)
| 身近な野鳥 「渡りの途中のアオアシシギ」 | 2011年09月 |
アオアシシギはイソシギと比較して随分大きい。足も長いので水の中も平気で歩いている。嘴がやや長く上に微かに反っている。上の写真は冬羽だろう上面が薄い茶褐色で下面は真っ白い。羽縁が白く縁取られているので幼鳥かもしれないが、それほど擦り切れていなかった。
この旅鳥に初めて出会ったのは、やはり毎日通っている八本松町の広い田んぼの中だった。耕地整理され、一枚の田の広さが随分大きく、向こうの畦まで充分70mは超えているだろう。その時のアオアシシギは今回と同じように佇み、こちらをじっと注視していた。その時の彼と同じ目に感じられ、急いでカメラをひっこめた。
昨年の秋はいつもの田んぼにはアオアシシギは訪れなかった。それは近くに中学校が建設され、工事中であったためではないかと思われる。アオアシシギに限らず、野鳥たちは本当に繊細で少しの環境変化にも反応するので、今年の秋も心配であるが、注意深く探してみよう。
(2011年8月31日記)
| 身近な野鳥 「鶴に見間違えられるアオサギ」 | 2011年08月 |
このような電話はこの25年間で3度も経験している。その都度現地を訪れ首を折り曲げて飛んでいるアオサギを確認している。しかし、今回は2度も足を運んだが、姿を見ることができなかった。中国地方にやってくる鶴は冬鳥で夏には普通いないことを説明して納得してもらった。
アオサギは単独で山に巣を掛けることもあるが、ダイサギ、チュウサギ、コサギそれにアマサギが集団でコロニーを作り営巣している傍で、巣を掛けていることが多い。また、別の場所で数個の番(つがい)が集団でそれぞれ巣を掛けていることもあり、同じ木の上下を同時に利用している事もある。
アオサギは日本のサギでは最も大きい。背面が蒼灰色で、長い首と長い足は確かに鶴に似ている。しかし、後頭部に垂れさがる黒色の冠羽がある。また首には黒色の縦斑が数本あり、ツル類と識別出来る。アオサギは海岸から川の上流、田んぼ、池の傍に年中いて水辺の鳥としてなじみ深いが、夕方頭上を飛び山や森に入っていく姿を見ると鶴ではないかと思われるらしい。
(2011年7月30日記)
| 身近な野鳥 「夏羽のアマサギ」 | 2011年07月 |
やっと見つけたのが写真の夏羽になったアマサギである。嘴の根もとがややピンクがかっているが、婚姻色には程遠い。アマサギの婚姻色は眼もとと嘴の根もとが濃い紅色で、先の方に向けて次第に紅色が薄くなり、先は黄色となる。眼球と足も深紅になる。
アマサギの冬羽は特徴のある亜麻色が消え、全身が真っ白で体長が同じくらいのコサギと見間違いそうになる。しかし、コサギの嘴は真っ黒いがアマサギはこの時期黄色くなっている。アマサギの足は指の先まで黒いがコサギは黄色い足袋をはいている様に見えるので容易に区別できる。
冬の南の島で、アマサギが黒い水牛の背に止まり、のんびりしている姿を見たことがある。水牛に集まるハエやアブを捕っていたものと思われる。日本に来ては田んぼのカエルやミミズを食べるだけではなく、バッタなど稲を食い荒らす昆虫を食べてくれて、大いに役立っている。
(2011年6月29日記)
| 身近な野鳥 「梅雨とチュウサギ」 | 2011年06月 |
チュウサギは夏鳥で例年5月の大型連休の時期、田んぼで田植の準備が始まると何処からともなく集まって来て、耕運機の後を我先にと走って行く姿が目に浮かぶ。しかし、今年はあちこちで耕運機が作業を始めても、チュウサギやアマサギが集まって来ている姿をとうとう目にすることはなかった。
昨年の猛暑と繁殖中の巣が壊されてきたせいなのか、私が観ている広い農地の周辺が開発され、この4月から新しい中学校も建設が完了し、開校した為だろうか、チュウサギもアマサギも本当に少なく激減してしまった。
チュウサギは大きさがコサギより大きく、ダイサギより小さい通称白鷺の仲間だ。足が長く首も長く、長い嘴は黒いがこれは繁殖に向けての婚姻色で、その内黄色くなり先だけ黒くなったものが多くなる。口の裂け目(口角)が目の下で止まっているのが、目の後ろまで裂けているダイサギとの識別ポイントである。
(2011年5月29日記)
| 身近な野鳥 「桜の花とノビタキ」 | 2011年05月 |
ノビタキはこの地では旅鳥として通過途中に見られるだけで、直ぐに姿を消してしまう。それも今までは秋の渡りにしか巡り合っていない。春の渡りの時期に頭から背中が真っ黒になった立派な雄に会いたいとかねてから思っていた。
ノビタキはスズメくらいの大きさで、目が大きくてかわいい野鳥だ。雄の夏羽は首から上、背面が真っ黒で、白い大きな斑紋が良く目立つ。胸から腹にかけて、淡い黄褐色、下腹部から尾筒下面は白い。雄の冬羽は雌とよく似ていて、頭から背面が茶褐色、下面は淡い黄褐色をしている。
とっさに持ち出したのが手持ちの400mmズームレンズ、思ったよりも近づけず。撮った写真は手ぶれか解像度不足、大きい真っ黒い目は真っ黒い顔に埋まりはっきり輪郭が見えない。願ってもない背景の中のノビタキに申し訳ない。
(2011年5月1日記)



