身近な野鳥 「ぼさぼさ頭のウミアイサ」 2011年04月

野鳥観察の楽しみ(百三)

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新 名 俊 夫
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写真はウミアイサ♂、(‘10.03.12.山口県光市)〔Nikon D300, Nikkor ED,AF-S 600mm,1:4DⅡ, 1/1250秒,f/7.1, ISO400,トリミング〕

 

 ウミアイサがいるとの情報を得て、山口県八代のナベヅルを観ての帰りに、光市の島田川河口へ寄ってみた。昨年3月の中旬のことで早や一年を経過している。本当に時の経つのが速い、歳をとったせいだろうか。

 私が初めて冬鳥のウミアイサを観たのは宍道湖だった。その後、八幡川河口でも見ているが、広島県の賀茂台地では未だに観察記録がない。カワアイサは内陸にもやってくるが、ウミアイサは名前通りに海か海に近い環境を好むものと思われる。

 ウミアイサの姿はカワアイサによく似ているが、後頭部の毛がぼさぼさに伸びて、カワアイサの後頭部は毛が綺麗になでつけられている。嘴はウミアイサもカワアイサもカワウに似て、細長く、先がかぎ型に曲がっているし、嘴の色は鮮やかな柿色をしている。

 午後の訪問なので、写真撮影の光線の具合を考えると、河口の西岸が良いと考えて行ったが、川の流れは東岸寄りで、西岸は広い砂浜となっていて、ウミアイサまでの距離があまりにも遠い。仕方なく東岸に廻った。やはり逆光のため赤い眼はかろうじて見えるが、緑のビロード色に輝く頭が黒くなってしまった。

(2011年3月31日記) 

野鳥観察の楽しみ

身近な野鳥 「尾端の赤いヒレンジャク」 2011年03月

野鳥観察の楽しみ(百二)

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写真はヒレンジャク、(‘11.01.13.東広島市)〔Nikon D300, Nikkor ED,AF-S 600mm,1:4DⅡ, 1/1000秒,+0.3,f/6.3, ISO400,トリミング〕

 

 先月号で書いたキレンジャクは唯一羽のみ居たのであって、周りは全て尾の先端が緋色であるヒレンジャクであった。ヒレンジャクはキレンジャクとほぼ同じような容姿をしていて、尾の先の色が赤色をしているのが大きな識別のポイントである。

 西日本ではキレンジャクよりヒレンジャクの方がより多く観察されているようだが、それでも私の住んでいる地域では会えるのが稀である。ネズミサシの樹の黒く熟れた実を群がって啄んでいる時などはチリチリチリと小さな声でささやくようにおしゃべりをしていた。

 ヒレンジャクの特徴は冒頭に述べたが、大きさはキレンジャクよりほんの少し小さい。羽の中間付近(次列風切り先端)の赤くて、ろう状の液滴形をした部分(これがレンジャク類の英名Waxwingの由来となった。)がキレンジャクにはあるがヒレンジャクにはない。

 キレンジャクを含むこのヒレンジャクの群れは4日後までは時々この鏡山公園に姿を現わしていたが、その後は何処へ行ったのか居なくなった。その後、豊栄町にも現れたとの情報が寄せられたが、同じ群れであったかどうかは不明である。

(2011年2月27日記) 

野鳥観察の楽しみ

身近な野鳥 「奇抜な冠羽のキレンジャク」 2011年02月

野鳥観察の楽しみ(百一)

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  110201_kirenjaku.jpg   
写真はキレンジャク、(‘11.01.13.東広島市)〔Nikon D300, Nikkor ED,AF-S 600mm,1:4DⅡ, 1/1250秒,+0.3,f/6.3, ISO400,トリミング〕

 

 奇抜な冠羽、目を通る黒くて太い線、尾の先が黄色い。キレンジャクだ。鏡山公園でヒレンジャクを見たとの情報は得ていたが、ここに私が来た時はツグミとヒヨドりばかりで何もいなかった。公園を一周して駐車場に戻ると、頭上の樹に鳥影を数羽見つけた。直ぐにフィールドスコープで覗くと、樹のてっぺんに居るのはキレンジャクではないか(写真上)。

 西日本でキレンジャクに会えるのはヒレンジャクより更に稀で、広島県には来ない年があるらしい。来ても県内の何処かに飛来し、全域で見られる訳ではない。黒瀬町の友人は7年前に会っているそうだが、私は14年前に市内の中心部西条町で見て以来である。

 キレンジャクの特徴は冒頭に述べたが、大きさはツグミよりやや小さい。羽の中間付近(次列風切り先端)に赤くて、ろう状の液滴のような形をした部分が見える(写真下)。これがレンジャク類の英名Waxwingの由来である。

キレンジャクはこの1羽のみで、10羽のヒレンジャクの群れの中に混じっている。群れは樹の上部に止まり、休むか、身繕いをしている。しばらくすると一斉に飛び立ち、近くのネズミサシの樹に群がり黒くなった実だけを食べた。飛び去った後には黄緑色をした未熟の実がまだ多く残されていた。

(2011年1月28日記) 

野鳥観察の楽しみ

身近な野鳥 「イチョウ羽を持つオシドリ」 2011年01月

野鳥観察の楽しみ(百)

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写真はオシドリの雄、(‘10.12.10.東広島市)〔Nikon D300, Nikkor ED,AF-S 600mm,1:4DⅡ, 1/320秒,f/6.3, ISO400,トリミング〕

 

 「わあー、キレイ!」思わず叫びそうになる。まるで「おもちゃ」を池に浮かべているようなオシドリの雄だ(写真)。東広島市内で開発に伴って造られた調整池のフェンスの外からそっと覗いた時、目に飛び込んできた光景である。フェンスのこちら側は駐車場であるが、池の周囲は立木が鬱蒼と茂っていて、その中には実を付けたコナラの木もある。

 オシドリは主にドングリを食べる。この近くにはコナラだけでなく、アラカシ、アベマキの木もあり、近くの街路樹にはシラカシも植えらているので、ドングリには困らないのだろう。さらに、隠れて静かに休息する場所もあり、ここで越冬しているものと思われる。

 オシドリは主に中部地方以北や九州で繁殖をし、夏を過ごす。秋になると広島県にもやってくるが鳥取県の日野町が有名な飛来地である。日野川で餌付けされていて観光資源として大切に保護されている。本来、オシドリは警戒心が強く人目に付くことは少ない。

 オシドリの雄の特徴は鮮やかな色彩をしていて、他のカモと直ぐ識別できるが、特に、腰の上の方に黄色く紅葉したイチョウの葉を立てたような「イチョウ羽」を持ち、紅色の小さな嘴が愛らしい。雌は他のカモと同じように地味な色をしていて、からだ全体がグリーンがかった灰褐色、目の周りに白い線があり、後ろに伸びている。

(2010年12月23日記) 

野鳥観察の楽しみ

身近な野鳥 「頭上のノスリ」 2010年12月

野鳥観察の楽しみ(九十九)

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写真はノスリ、(‘‘10.11.14.山口県)〔Nikon D300, Nikkor ED,AF-S 600mm,1:4DⅡ, 1/2000秒,f/6.3, ISO400,トリミング〕。

 

  突然頭上にノスリが現われた。地元ではなかなか会えない猛禽類だ。11月14日に山口県のきらら浜自然観察公園へバードウオッチング入門講座生の修学旅行に引率して、園内を散策している時の事である。あちこちから、鷹だ!鷹だ!の声がする。上を見ると丁度真上を飛んでいる。

  急いで写真を撮り、写真機後ろの画面ですぐ確認する。肉眼では下面全体が白っぽく見えたが、翼先端部が黒く、翼下面中央よりやや翼先に近い前側(翼角)に黒褐色の斑点がある(写真)。また、脇から下腹にかけて黒褐色の帯も確認される。さらにズームアップすると咽が黒く見え全てノスリの特徴をそなえている。

 丁度帆翔していたので、翼を横から見ると浅いV字型に見えたはずであるが、真下から見ているので、それは良く分からなかった。目を上に上げてもう一度観ようとしたが、周りに立木があり、すぐに視界から消えてしまった。

 ノスリは冬にこのような開けた草原や、干拓地に来るようで、近くでは笠岡干拓でじっくり観ている。東広島市でも姿は確認されているが、私は安芸津町の上空を通過するのを一度観ただけである。かねてからワシタカ類の識別能力を高めたいと思っているが、生態系の頂点に立つ鳥だけに数が少なく、出会う機会が本当に少ないのでなかなか上達しない。

(2010年11月27日記) 

野鳥観察の楽しみ

身近な野鳥 「通過途中のエゾビタキ」 2010年11月

野鳥観察の楽しみ(九十八)

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写真はエゾビタキ、(‘10.10.14.東広島市西条町)〔Nikon D300, Nikkor ED,AF-S 600mm,1:4DⅡ, 1/500秒,f/7.1(+0.7), ISO400,トリミング〕。

 

 今年はエゾビタキに何度もあった。エゾビタキはこの地では秋にだけ見られる旅鳥なので、すぐに通過してしまい、比較的目に止まる機会が少ない野鳥だ。そのためか、今までゆっくり写真を撮るチャンスに恵まれなかった。今月3日、会の行事で市内の鏡山に登った時も、頂上で直ぐ真近で見ることが出来たが、写真は撮れなかった。

 その10日後、構内の野鳥調査をした時も、何度も会ったが200mmのズームレンズしか持っていなくて残念な思いをした。早速、次の日も居てくれることを願って同じ場所を訪れると、エゾビタキは林の中から運動場の傍の桜並木の地面に降りてきて、餌を啄むと、さっと逃げ、林の中の枝に止まった(写真)。

 エゾビタキはスズメくらいの大きさだが、枝に止まる角度がスズメより立っているので、よりスマートに見える。頭から背中、尾の先まで黒色がかった褐色。胸は白地に黒褐色の縦斑があり、下腹は白い。ヒタキの類は皆そうだが、黒くて円らな瞳が他の小鳥類より大きくて愛らしい。

 今年の夏は猛暑が続き10月中旬にも拘わらず夏のような日が続いた。渡り鳥や旅鳥はどうして正確な渡りの時期を知るのだろうか、このような異常気象の年には影響はないのだろうか。暖かいと言って油断せず、例年通り渡って行ったこのエゾビタキは、下旬に一気に訪れた真冬のような寒さに会うことなく、南に飛び去ったものと思われる。

(2010年10月31日記) 

野鳥観察の楽しみ

身近な野鳥 「一番乗りのコガモ」 2010年10月

野鳥観察の楽しみ(九十七)

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写真上はコガモ達(冬羽)、(‘‘10.9.20.東広島市八本松町)〔Nikon D300, Nikkor ED,AF-S 600mm,1:4DⅡ, 1/500秒(+0.3),f/6.3, ISO400,トリミング〕。
写真下はコガモ雄(夏羽)、(‘10.3.18.東広島市八本松町)〔カメラとレンズは同上, 1/160秒,f/8, ISO400,トリミング〕

 

 今年、カモ達の飛来の一番乗りはコガモだった。秋になると北からカモ達がやって来るが、私が住んでいる近くでは大抵コガモが一番早くやって来る。9月20日にキンクロハジロがいるとの知らせで、八本松町の池に行ってみると、前日飛来したと言う冬羽のコガモ15羽が既にやって来ていた(写真上)。

 この時期のコガモは地味な非繁殖羽(冬羽)で雄も雌と区別が困難である。雌の姿は特にヒドリガモの雌とよく似ていて、一緒にいれば大きさが違うのですぐ区別出来るが、単一種の場合は首をひねる事が多い。しばらく見ているとやがて採餌を止めて身繕いを始め、羽の後ろ側(次列風切り=翼鏡)部分に明るい緑色が見えた。

 コガモの雄の繁殖羽(夏羽)はお尻の先(尾筒)に黒色で縁取られた鮮やかな黄色が目立つが、やって来た当初はそれもない。しかし、10月も半ばになると、すっかり換羽して、尾筒は黄色に輝き、栗色の頭と顔の間に、黄色で縁取られた緑色の模様が目の部分から後ろへと流れているように見える雄(写真下)が現れる。

 来年春になるとカモ達は北へと帰っていくが、その中でもコガモは一番遅くまで居残る。そのためかペアになるのも遅いのがいて、1月過ぎてもまだ集団見合いをしているのを良く見かける。ところで、上記のキンクロハジロは右羽を失い、この夏を寂しくここで過ごしたものらしい。コガモの飛来は大いに彼を勇気づけたに違いない。

(2010年9月30日記) 

野鳥観察の楽しみ

身近な野鳥 「嘴の赤いユリカモメ」 2010年09月

野鳥観察の楽しみ(九十六)

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写真はユリカモメ成鳥(冬羽)、(‘08.11.30.東広島市安芸津町)〔Nikon D300, Nikkor ED,AF-S 600mm,1:4DⅡ, 1/4000秒,f/6.3, ISO400,トリミング〕、写真(円内)はユリカモメの夏羽(‘08.4.26.東広島市安芸津町

 

 冬鳥のユリカモメは、8月ウミネコの飛来に続いて、9月には他のかもめ類と一緒にやって来て、いつも彼らと群れている。数は比較的少ないのにも拘わらず、嘴が赤いのでよく目立つ。何か物の上で休んでいると足の赤いのも確認でき、他のかもめ類とは簡単に識別できる(写真)。

 ユリカモメの体の大きさは比較的小さいカモメ(種名)と比較しても更に小さく、よく一緒にいるセグロカモメやウミネコと比べると随分小さく感じられる。翌年の春には夏羽になっているのもいて(写真円内)、顔や頭が覆面をかぶっているように黒褐色となる。

 同じように夏羽で、顔や頭が黒くなるズグロカモメとよく似ているが、良く見ると夏に黒くなったユリカモメの嘴は赤味を帯びているし、ズグロカモメはユリカモメより更に体が小さい。

 10年以上も前になるが、私は月に一度は仕事で上京していた。羽田から浜松町へのモノレールの窓から、多くの野鳥の姿を見てきた。その中でも最も印象に残っているのがユリカモメで、数の多さに驚いた。他のかもめの仲間には何がいたのか思い出せないが、ユリカモメの飛ぶ姿だけははっきりと思い出す。

(2010年8月31日記) 

野鳥観察の楽しみ

身近な野鳥 「セグロセキレイのデビュー」 2010年08月

野鳥観察の楽しみ(九十五)

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【写真1】 
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【写真2】
写真1はセグロセキレイ幼鳥、(‘10.7.29.東広島市八本松町)〔Nikon D300, Nikkor ED,AF-S 600mm,1:4DⅡ, 1/500秒,f/6.3, ISO400,トリミング〕、写真2はセグロセキレイ成鳥(‘10.1.18.東広島市)

 

 この時期になると今年生まれた幼鳥は親子だけの生活から今年生まれた仲間とともに鳥社会へデビューする。ここ西条町下見地区に続く八本松町原地区の田んぼではこのような新人を含む鳥たちの集団をあちこちで見ることができる。

 セグロセキレイもそのような鳥の一種である。あまり大きな集団は作らないが辺りには10羽を超える幼鳥が飛び交い、追いかけ合ったり、もつれ合ったりしている。中には一生懸命餌を食べているものもいる(写真1)。

 セグロセキレイは顔から頭、背中まで黒く腹は白い。黒い尾が長く絶えず上下に振っている。それで、地元の人たちからは「石たたき」と呼ばれている(写真2)。幼鳥(写真1)は全体に灰色で、この鳥の特徴である目の上の眉斑も成鳥のようには白くはなく、別の鳥のように見える。

 セグロセキレイは年中いて見慣れている鳥なので、身近な鳥としては一番に書くべき鳥であるが、その時々に心を引かれた鳥を取り上げてきたので、今日になってしまった。日本の固有種だと言われている彼たちにも申し訳ないことをしたと思っている。

(2010年7月30日記) 

野鳥観察の楽しみ

身近な野鳥 「夏羽のオオソリハシシギ」 2010年07月

野鳥観察の楽しみ(九十四)

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写真はオオソリハシシギ、夏羽雄(‘10.4.29.愛媛県松山市)〔Nikon D300, Nikkor ED,AF-S 600mm,1:4DⅡ, 1/1250秒,f/6.3, ISO400,トリミング〕

 

 松山市の重信川河口はシギ・チドリ類の宝庫だ。春の渡りの時期に来れば、夏羽のオオソリハシシギの雄に出合えるのではないかと期待し、河口付近を探した。大潮の干潮時、遠くまで干上がった手前の浅瀬の向こうの方にオオソリハシシギ1羽が目に入った。

 しかし、背中の色が褐色をしていて、見たいと熱望している雄ではない。さらにその向こうの中州の上を探す。小形のシギやチドリ達が走り回っている。と、その向こう側の水辺に見え隠れする赤褐色の大型シギを発見した。

 立派に夏羽へと換羽したオオソリハシシギの雄だ。地元で何度か見たオグロシギの夏羽の姿にそっくりだ。しかし、長い嘴が僅かに上に反っているのでオオソリハシシギに間違いない。やがて、この雄は中州の中央付近まで近づいて来てくれた。そして、下面のほとんどの部分も赤褐色で、部分的に薄っすらと白い模様が入っているのが確認できた(写真)。

 飛んだ時、オオソリハシシギは尾の先が白っぽく見えると言う。それを確認しようと思っていたが、近くの鳥たちが何かに驚き、一斉に飛び立ち、一緒に逃げてしまったので、ただ、茫然と見送ってしまった。

(2010年6月30日記) 

野鳥観察の楽しみ