| 身近な野鳥 「遊ぶホシゴイ」 | 2009年09月 |
黒い棒を口にくわえて、飲み込む仕草をして吐き出す。また、それを嘴に挟み、くるりと回し、太い方から飲み込むような真似をする。棒が長くて咽喉にひっかかり、また吐き出す。どう見ても遊んでいるように見えるホシゴイを見つけた。
ホシゴイはゴイサギの幼鳥で成鳥になるまでには約3年もかかる。どの動物の子どもも遊び心が旺盛で、これが狩りの練習にもなっているのだろう。成鳥のゴイサギは頭から背中が青黒色、下面が純白であるが、幼鳥は、これとは大きく異なり、全身褐色で、背中に白い斑点が星のようにちりばめられている。それでホシゴイと呼ばれる。
ホシゴイは一年中身近にいる留鳥だが、成鳥のゴイサギと共に昼間は木陰やササ藪のようなところで休んでいることが多いし、夜行性の鳥なので目につくことが比較的少ない。しかし、このように昼間活動していることもあり、この個体は練習の成果があってか、ドンコ(写真)を次々と捕え、飛び込んできたトノサマガエルまで瞬時の内に捕えて、おいしそうに食べた。
ホシゴイは嘴の先は黒いが根元は黄色、成長するに従って黄色の部分が狭くなり成鳥になると真っ黒になる。羽も腰のあたりが褐色から青黒色に徐々に変化し、目も虹彩部分の黄色が次第に赤く変わっていく。足の黄色は成長しても黄色だが、この幼鳥は濃い緑黄色をしていた。
(2009年8月30日記)
| 身近な野鳥 「シャレてるツバメ」 | 2009年08月 |
プロ野球選手のユニフォームから覗く首には、アンダーシャツのハイネックにチーム名や、背番号、自分の名前などが刺しゅうされている。カッコいいので草野球の選手にも流行っているようだが、生まれたばかりのツバメがこれを付けているのには驚いた(写真上)。
7月中旬安芸太田町に行き、昼休憩をしたビルは四角形の三階建て、その中央部分は二階しかなく、天井は温室のようにガラス張り、三階からこの天井外側が良く見える。ここに巣立って間もないヒナがいて、父親(写真下)から餌をもらっていた。
東広島では毎年、3月初旬から10月下旬までツバメを見る事ができる。コシアカツバメはツバメより一ヵ月遅れでやって来て、11月の終わり頃までいる。来る時は、両種ともバラバラで来ているようだが、帰りは大軍を作って帰る。
ツバメは雌雄ともに、背面はつやのある黒色、顔も黒いが口の下から喉にかけて赤褐色をしていて、その下に黒色の首輪をしている。胸から腹まで真っ白で、飛んでいてもこの白色でコシアカツバメと区別できる。雄の尾は細くて長く、雌は太くて短い。
(2009年7月25日記)
| 身近な野鳥 「魚を捕るミサゴ」 | 2009年07月 |
大沢田池でカワセミの姿を追っていると、上空に下面が白いワシ・タカの仲間が近付いてきた。ミサゴだ。停空飛翔したかと思うと直ぐ、ザブン!と水中にダイビングした。 水面に羽を広げ、顔は水面に浮いている。まるで溺れているようだ。次の瞬間勢いよく羽ばたき、水面より飛び立った。
足にはしっかりと獲物を掴み、魚ともどもこちらを注目しながら飛び去った(写真)。ミサゴは池、湖、河川、海岸などで主に魚を捕らえて生きている。捕まえた魚は足場のよい杭や、木の枝に止まり、ゆっくりと食べる。
ミサゴは頭の頂部が平らで白い。眼を通る黒い線(過眼線)は首の後ろへと延びる。金色の目、鍵形に鋭く曲がった嘴は勇猛で堂々としていて、ワシ・タカの仲間の姿にふさわしい。しかし、よくカラスにからかわれたり追っかけられたりしていて、気が優しいのではないかと感じられる。
ミサゴは一年中見られる鳥で、準絶滅危惧種に指定されているが、この辺りでは最近数が増えている。東広島市でも営巣しているようだし、繁殖期には頻繁に餌を運んでいる姿をよく目撃するようになった。単に餌の魚が増えたと言うだけではなく、何か環境の変化を示しているのかも知れない。
(2009年6月28日記)
| 身近な野鳥 「水辺の宝石カワセミ」 | 2009年06月 |
今月は水辺の宝石と呼ばれるカワセミを書こうと思い、カモ達が立ち去り静かになった大沢田池を訪れた。思いの外、すぐ近くの柵の上段に止まっている。有り難い、と思う間もなく、私の姿に驚き、逃げられてしまった。私の鳥見ではよくあることだ。
このような思い掛けない出会いがあることを予想し、すぐ対応出来るように予め準備して置かねばならないが、未だに出来ていない。それに、もう一つ大切なことは忍耐である。カワセミは待てば今の場所に必ずと言っていいほど戻ってくる。
数年前あるテレビ局がこの池を取材に来た時、カメラマンがカワセミを見つけた。しかし、三脚をセットしているうちに逃げられてしまった。私が「2時間もすれば今の枝に戻ってくるでしょう。」と言うと、カメラマンはそこを動かず、2時間待ち続け、その姿をビデオカメラに収めた。しかしその間、雪はちらつき、スカート姿の若い女性アナは寒さの中で震えながらこれに付き合う羽目になった。彼女には誠に申し訳ない事をしたが、この二人を含む4人のクルーのチームワークとプロ魂に触れることができた。
カワセミは誰もが写真では見たことがあるであろう本当に美しい鳥だ。大きな嘴、頭から翼上面が翡翠色をし、背中から尾先まで、鮮やかなブルー。下面は濃い赤褐色。真っ赤な足、首の横には純白の飾りがあり、実際にこの鳥を見たら、誰でも虜になってしまう魅力がある。
(2009年5月31日記)
| 身近な野鳥 「足の長いツルシギ」 | 2009年05月 |
お昼前、「ツルシギが1羽来ているよ!」と会の仲間から連絡を受けて、急いで駆けつけた。丁度、水の張ってある蓮田の畦で休憩中。せっせと羽繕いをしていたが、こちらの様子が気になるらしく動きを止め、緊張の面持ち(写真)。申し訳ない。
暫くすると、安心したかのように動き出し、蓮田の水の中に入った。足が長いので腹は水面より2cmあまり上にあり、水に浸かるようなことはない。畦から1mくらいの所を畦に沿って忙しく餌を啄みながら歩いて行く。
ツルシギの成鳥夏羽は頭から首、下面にかけて真っ黒になるのですぐ識別されるが、冬羽は頭から上面が他のシギ達と似た褐色をしている。しかし、嘴が長く、足が赤橙色をしていて長いのが特徴。同様に赤橙色の足をしたアカアシシギの冬羽の姿と似ているが、ツルシギの嘴の方が長くて細い。
旧東広島市でツルシギが確認されたのは3年振り、その時私は見ていない。じっくり観察しようと思い腰を据えた矢先、犬を連れて散歩される方があり、ツルシギはサッと飛び去ってしまった。辺りの蓮田や、水田を探したが見つからず、諦めて用事に出かけた。夕方再び辺りを探したがもう姿がなかった。
(2009年4月30日記)
| 身近な野鳥 「林の中のミヤマホオジロ」 | 2009年04月 |
温暖化の影響か今年の春も暖かくなるのが早い。これでは、写真に収めたいと思っているミヤマホオジロが故郷へ早々と帰ってしまうのではないかと気が気ではない。それに、たとえ出会う事が出来たとしても彼らはすぐ藪の中に逃げ込んでしまう。
遠くからでも良いから、とにかく撮っておこうと、わざわざ三脚を担いで林の中に入った。暫く進むと直ぐにチッ、チッ、と微かではあるが透き通った声がする。この場所ではホオジロかアオジか、もしかしてミヤマホオジロかも知れない。
パラパラっと数羽の鳥が地面に刺さるように降りた。比較的まとまって行動しているのでミヤマホオジロの可能性が高い。急いで三脚を立て、シャッターを連射する。もっと良いアングルをと私が動いたので、あっと言う間に逃げ去った。
ミヤマホオジロは雌雄共にヒバリのような立派な冠羽があり、その下部が鮮やかな黄色をしている。特に雄(写真上)は黒い過眼線が太く、喉も黄色なので目立つ。雌(写真下)は全体に薄い茶色をしているが、雄同様に下部の黄色い冠羽が目印となる。
(2009年3月25日記)
| 身近な野鳥 「林床のルリビタキ」 | 2009年03月 |
綺麗に手入れされた林床で落ち葉をかき分けて、餌を探しているルリ色の小鳥がいる。やっと会えた。ルリビタキの雄だ。しかし、思う間もなく彼は、私の気配を察し、さっと茂みの方へ飛び去り、枝に止まった(写真)。
ルリビタキはスズメくらいの大きさで、雄は体の上面がルリ色。真白な眉斑が目の上から後半は淡い青色へと変化し、凛々しさを醸しだす。下面は白色。脇が橙色。雌はジョウビタキの雌とそっくりだが、羽根に白斑がなく、尾羽が青色を帯びている。
ルリビタキの雄は成鳥になるのに2、3年はかかるらしく、若鳥はルリビタキの雌と区別が難しい。しかし、雌と比較し、尾の青色がやや濃く。肩がやや青味がかり、脇の橙色も濃い点で識別する。
昨年冬も同じ場所で何度かルリビタキには会ったが、雄の若鳥ばかりで、とうとう成鳥には出会えなかった。今年やっと雄の成鳥に出会え嬉しく思っているが、昨年来た同じ若鳥が成長して、また、やって来てくれたのではないかと思うと、嬉しさが倍増する。
(2009年2月23日記)
| 身近な野鳥 「小さなキツツキ、コゲラ」 | 2009年02月 |
「タッタッタッタッタッタッタッ!タッタッタッタッタッタッタッ!」軽快なリズムで木の幹を叩く音が聞こえる。コゲラのドラミングだ。賑やかなエナガの集団がやって来た後、やや遅れて2羽でやって来た。松の幹に縦に止まり、くるくる横に廻りながら餌を捕っている。
コゲラは一年中見られる留鳥で、秋から冬にかけては、エナガの大群の中に混じって共に行動していることが多い。これを混群といい、他にシジュウカラやヤマガラなどが1羽から数羽、多くの場合混じっている。
コゲラはキツツキの仲間では最も体が小さく、スズメくらいの大きさである。背中は黒褐色で白い斑点が横に並び縞状に見える。下面は薄汚れた白色だが、胸の横から脇にかけて褐色をした縦斑がある。雄には後頭部に赤色の小斑があるが普通は見えない。
池のほとりの松林にやって来た先ほどのコゲラは「ギィーッ!、ギィーッ!」とドアが軋むような鳴き声を残しながら、エナガの大群の飛び去った方向へ後を追うように消えていった。本当にあっと言う間の出来事で、満足のいく写真も撮れなかった。
(2009年2月2日記)
| 身近な野鳥 「お久しぶりホオジロハクセキレイ」 | 2009年01月 |
東広島市でホオジロハクセキレイに久しぶりに出会った。11月下旬、旧国道2号線沿いで街の中心から約2km離れた自動車販売店の店先だ。連れのハクセキレイ幼鳥と2羽で駆けるように素早く歩き廻りながら餌を探している。7~8mは人に近づくが、写真を撮ろうとするとだんだんと遠ざかる。とうとう裏の田に逃げて行った。
国内にはハクセキレイの亜種が5種いるようだが、私はまだハクセキレイとホオジロハクセキレイの2種しかお目にかかっていない。ホオジロハクセキレイは以前、大沢田池の近くで冬になると見かけていたが、姿を消してから、もう20年近くになる。
ホオジロハクセキレイは顔全体が白く、ハクセキレイの様な黒い過眼線がない。頭、背、腰、尾が黒く、下面は白い。胸に黒斑がある。雌の冬羽では背が灰色になることがあるそうだが、上の写真も灰色である。長い尾を上下に振るしぐさは他のセキレイ類と同じである。
もう一羽も肉眼では顔全体が白いホオジロハクセキレイの様に見えたが、写真で見ると頬から上が淡灰色、目の後ろに過眼線のような白い線がある。ハクセキレイの幼鳥のようだ(写真下)。写真上のホオジロハクセキレイは、目の後ろ少し離れた所に小さな黒斑があり、ハクセキレイの名残を留めているように思われる。
(2008年12月31日記)
| 身近な野鳥 「馴染み深いウミネコ」 | 2008年12月 |
カモメの仲間のウミネコは東広島で見られる最も馴染み深い海鳥である。安芸津町の高野川河口に行けば、6月後半から7月を除いてほぼ一年中見る事ができる。潮があれば、どんなに浅くとも必ずやって来て、水浴びをする。
ウミネコは集団性が強く、いつも20~40羽の群れでいる。水浴びに飽きて誰かが飛んで行くと、みんな飛んで行ってしまい、沖に係留してある漁船や、ブイの上で休むか身繕いをする。飛んでいるとき「ミャー」と鳴くことがあり、ネコの鳴き声に似ているのでその名が付いた。
成鳥はハシボソガラスくらいの大きさで、背中は暗青灰色をしている。頭の色は夏には白く、冬には薄い褐色が混じる。黄色い嘴の先に赤と黒の斑紋があり、足が黄色なので、他のカモメの類と容易に区別できる。
営巣地は出雲大社の近くの経島(ふみしま)が良く知られている。しかし、繁殖のできる成鳥になるまでには3~4年かかり、それまでは全体的に赤褐色や灰色をしていて、嘴は青味がかった黄色で、先端部分に黒い斑紋が付いている。
('08年11月29日記)



