| 身近な野鳥 「内陸部にハマシギ」 | 2008年01月 |
内陸部にハマシギが訪れることは珍しい。シギ・チドリの観察者K氏によると、この11年間で今回が3度目だそうだ。その上、もしかしてサルハマシギかも知れないとの連絡を受け、急いで駆けつけた。
見ると、ハマシギ2羽が今期3度目になるウズラシギ2羽と一緒に、先を争うように、一心に餌を啄ばんでいる。ウズラシギと同様に忙しく歩き回り、頭を絶えず動かしているので、なかなか写真に納まらない。
ハマシギの冬羽は上面が灰褐色に見え、下面は白い。胸は白く、薄い灰褐色の縦斑がある。目の上の白い眉斑がめだつ。黒くてやや長い嘴は少し下方に曲がったように見える。足が黒いので、黄色の足のイソシギと区別できる。
この秋はジシギをはじめシギ・チドリの種類も数も少ない。夏は猛暑が続き、いつまでも残暑が厳しく、秋の訪れが遅かった。これも地球温暖化と関係しているらしい。このたびのハマシギやウズラシギの訪問が気象変動と関係していないことを祈っている。
(2007年10月20日記)
| 身近な野鳥 「ようこそウズラシギさん」 | 2007年12月 |
「ようこそウズラシギさん」~5000キロの旅の途中、東広島へ~の見出しで読売新聞10月11日付けの広島版に私の写真が掲載された。秋にウズラシギが旧東広島市内で観察されることは稀で、この11年間でこれが3度目だそうだ。
このウズラシギさん(10月7日発見)は到着間もなかったのか、大変お疲れの様子で、ずうっと眠っていた。しかし、翌日にはいなかった。ところが、11日に1日だけ1羽、18日朝から19日夕方まで別のウズラシギ2羽を確認した。
ウズラシギは全体的に暗赤褐色に見え、下面は白い。胸は薄い赤褐色。頭は濃い赤褐色の地に、黒色斑が縦縞に見える。3回目の2羽は内陸では珍しいハマシギ2羽と連れ添ってきた。この4羽は水田の中で忙しく餌を採っていた。
秋の旅鳥は滞在期間が短く、そそくさと去って行く。そのためか、人の目にとまることが少ない。にも拘らず、その貴重な一瞬に遭遇し、あたかも、秋の夜の流れ星を見たような気がしている。
(2007年10月20日記)
| 身近な野鳥 「上空を渡るハチクマ」 | 2007年11月 |
「アッ、出た!」「どこ、どこ、どこ!」「あそこの雲の切れ目から、ホラッ、出るよ!」「これはスゴイ!」「「大群だ! 1、2、3、‥‥‥。」 あたりは騒然となる。毎年観測している竜王山の頂上。
今年は会員の他に、バードウオッチング入門講座生、一般の方にも参加を呼びかけ、総勢40名弱。頂上は歓声で埋め尽くされる。やっと昼食にかかったところだが、それどころではない。
発見時は遠くて肉眼では針でついたくらいの点だ。だんだん近づいてくるのを双眼鏡でよく観察して、ハチクマと断定する。多くの群れがわれわれの上空やや西で、旋回し、タカ柱となる(写真上)。高く、高く上り、西南西に向けて一気に流れて行く。
ワシ・タカの識別は難しい。しかし、ハチクマは幅の広い翼に、スマートな頭をしている(写真下)。下面が白いのだが、上空では黒っぽく見える。この日は他にノスリとサシバが1羽ずつ渡った。いずれもハチクマより小さい。
(2007年9月24日記)
| 身近な野鳥 「ソリハシシギの渡り」 | 2007年10月 |
今年は残暑も厳しく猛暑が続いている。今日は二十一節気の一つ処暑、新涼が間近いとの事だが、その気配はない。しかし、内陸部ではシギ・チドリたちが早くも動き始めている。沿岸部はどうだろうと安芸津の高野川を訪れた。
ホウロクシギが1羽、ソリハシシギ2羽、キアシシギ4羽、シロチドリ1羽、コチドリ2羽、イソシギ1羽を確認した。近くでウミネコが26羽水浴びをしていた。この時期のシギ・チドリの中には幼鳥が多い。
ソリハシシギはキアシシギよりやや小さく、シロチドリやイソシギより大きい。嘴が長く上に反っているのが特徴。頭から体の上面は灰褐色、下面は白い。足の色が橙黄色であるのも足の黒いオオソリハシシギとの区別のポイントとなる。
中継地での生活は本当に忙しく、常に餌を求めて動き回っている。長い嘴を穴の中に深く差し込み、蟹を捕まえる。泥が付いていると、海水で洗って食べる。渡りには相当なエネルギーが必要で、その補給に余念がない。
(2007年8月23日記)
| 身近な野鳥 「渡り始めたコチドリ」 | 2007年09月 |
今年の夏は猛暑が続いている。しかし、暦の上では8月8日が立秋。こんなに暑くても旅鳥は渡りを始めるのだろうかと心配だった。ところがこの日、西条町の田んぼの溝で、クサシギを1羽見つけた。そして、それは3日後に姿を消した。
お盆の14日にはコチドリ6羽をクサシギのいた近くで見つけた。成鳥が1羽、幼鳥が5羽。16日までこの1団を確認したが、18日にはいなかった。が、同じ水田にタカブシギを1羽確認。鳥たちは確実に渡りを始めている。
コチドリはムクドリよりやや小さく、体形はやや扁平にみえ、幅が広い。頭や背中が褐色で田んぼの色にとけ込み見つけにくい。目の回りの金色(アイリングと言う)がはっきりしていて、他のチドリ類と区別し易い。
しかし、幼鳥はアイリングがはっきりせず、胸の帯が切れているものもいて、シロチドリと似ている。しかし、額部分も褐色、足は黄色をしているので区別できる。コチドリは集団でいるにも係わらず、採餌中、他の個体が近づき過ぎるとピッピッと言って追い払う。
(2007年8月20日記)
| 身近な野鳥 「大型シギのチュウシャクシギ」 | 2007年06月 |
大形シギが18羽も群れて飛ぶ。ホイホイッ、ピイピイピイピイッと言っているように聞こえる。狭い湾になった河口をくるくると回って、近くの磯に降り立った。チュウシャクシギだ(写真)。ここ安芸津町は2007年2月から東広島市になった。
チュウシャクシギは冬、遠くアフリカ大陸からインド、ニューギニア、オーストラリアまで移動し、夏はシベリア大陸からアラスカまで渡ると言う。日本には旅鳥として沿岸部を通過する。内陸の旧東広島市内では観察例がない。
チュウシャクシギは大形なシギで、大きな嘴が下に湾曲している。全体的に薄い茶褐色で、頭が濃い茶色。頭部中央を縦に薄いクリーム色の線(頭央線)がある。主に蟹を食べているようで、足や爪部分を口でもいで胴部分を食べる。
今年5月はチュウシャクシギとよく逢った。3日に柳井で、4日に安芸津、6日に地御前海岸や八幡川河口で、どこへいっても群れを観ることができた。この時、安芸津で撮影した映像がNHKの I Love ビデオで放映された。
(2007年6月2日記)
| 身近な野鳥 「渡りの途中のサシバ」 | 2007年05月 |
渡りの途中のサシバに出会えた。鳥仲間と4月の下旬、奄美大島の探鳥旅行に出かけた時のことである。住用のマングローブの林にいた(写真)。実はもう東広島市にもやって来ていた。
サシバは冬、東南アジアで過ごす。日本には夏鳥として本州以南に渡ってきて繁殖する。私は夏には稀にしか会っていないが、秋の渡りのときハチクマに混じって上空を流れるように飛んで行くのを良く見る。
サシバはハチクマよりやや小さく、飛んでいる姿を下から見ると白っぽい褐色で、翼色が透けて見える。止まっている時には白い眉斑がはっきりしていて、喉に黒褐色の縦斑が目立つ。
合併して同じ市内となった安芸津町に海辺の鳥を見に行った。そこで逢った鳥仲間のKさんが毎年サシバのやって来ている場所に案内してくれた。幸運にも上空を舞うサシバに会えた。奄美に行く前から来ているとの事だった。
(2007年5月4日記)
| 身近な野鳥 「用心深いヒクイナ」 | 2007年04月 |
やっとヒクイナの姿を写真(上)に撮ることが出来た。東広島市の中心地の東を南北に走る中川の水辺。ヒクイナは用心深く、葦の中からなかなか出てこない。出てきてもすぐに逃げ込む。この一週間に5回も足を運んだ。
夏鳥のイメージが強いヒクイナが冬にいると言う最初の情報は2月末であった。場所は安芸津町、早速出かけて行き、居ることは確認できたが、写真を撮る間もなく葦の中へ駈け込んだ。次に入った情報がこの中川である。
ヒクイナはムクドリくらいの大きさで、やや長い足が赤い。顔から胸、腹が赤褐色、背中は灰緑褐色、ルビーのような赤い目をしている。あまり飛ばず、速足で逃げる。夏の繁殖期の夜「キョッ、キョッ、キョッ、キョッ、キョッ、・・・」と透き通った声で鳴き続ける。
私の家の近くの田んぼでは毎年ヒクイナが繁殖していたが、2年前からアパートが建ってしまった。今はどこで繁殖しているのだろうか。もし川の中の葦の茂みに巣をかけるようなことがあれば、大雨による増水で流されてしまう危険があるのだが。
(2007年3月23日記)
| 身近な野鳥 「威勢のよいヒヨドリ」 | 2007年03月 |
今も窓の外から、「ピーヨ、ピーヨ。」とヒヨドリの威勢のよい声がする。このところ毎日やって来る。今季、良く実を付けた庭のクロガネモチも、その実はいつの間にかきれいに食べられてしまった。
街で見かける木でいつまでも実がついている木はセンダンではないだろうか。この実をたいらげるのも大抵ヒヨドリである。しかも大群でやって来て、忽ちのうちに食べてしまう。今年もこの光景を2月の初めに見た(写真)。
ヒヨドリはスマートな体形で、波状に飛ぶ姿もかっこいい。嘴はピンセットのように先が尖り、赤褐色の頬がかわいらしい。全体が灰褐色で頭は銀灰色。気分の良い時は「ピロリロリ!ピロリロリ!」と歌う。
多くの人に親しまれているヒヨドリだが、お百姓さんにはあまり人気がない。畑のほうれん草や、葉野菜などを食べて被害を与えるからだ。しかし、この時期、口の周りいっぱいに黄色い花粉をつけて、椿の花の蜜を吸う姿は憎めない。
(2007年3月16日記)
| 身近な野鳥「我がもの顔のカワウ」 | 2007年02月 |
カワウの大群が大沢田池にやって来た。そして、我がもの顔に振舞っている。池の中での餌とりは勿論、水上でも写真のように羽を広げて休んだり、他の水鳥たちの休憩場所である浮御堂を占領してしまった。
大沢田池にカワウが初めてやってきたのは2002年10月であった。その時は1羽であったが、僅かずつ数を増やして昨年2月には5羽になっていた。ところが今シーズンになると急増し、一度に50羽を超えた。
カワウは鵜飼に使うウミウと同様、全体が黒色で、細長い嘴は先がかぎ形となっている。しかし、カワウの背中や羽根は黒褐色、ウミウはそこが黒緑色。また、カワウの嘴の付け根の黄色い部分は円いが、ウミウは三角に尖っている。
大沢田池のカモ類の飛来数が昨シーズンから急に減り、今シーズンも大きく減少している。これは大沢田池周辺の急激な開発と関係していると考えられるが、都市化を物ともせずカワウの飛来数は増加している。今シーズンのカワウの激増の理由が知りたい。
(2007年1月31日記)



