身近な野鳥 「山裾のシロハラ」 2008年04月

野鳥観察の楽しみ(六十七)

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写真はシロハラ(‘08.3.2。東広島市八本松町)〔Nikon D300, AF-S Nikkor ED600mm, F4DⅡ,1/500秒,f/8,ISO400,トリミング〕

この冬はシロハラによく出会う。久しぶりに寒い冬のお陰ではないかと思っている。その他、ミヤマホオジロ、キクイタダキ、ビンズイ、ルリビタキもそうである。ツグミの数も近来稀に見る多さである。

それに、トラツグミがすぐ近くの山裾に来た。今日もそれを見に谷あいの集落を訪れた。トラツグミはいなかったが近くにシロハラがいた。その向こうにツグミもいる。すると、シロハラが足早に近づき襲いかかる。ツグミも飛び上がり取っ組み合いになった。

シロハラはツグミの仲間で、姿や形、歩く姿もツグミによく似ている。しかし、よく見ると、シロハラは腹が白い、目の周り(アイリング)が黄色く、背中が暗い淡緑褐色に見えるものが多い。ツグミは目の上に淡黄白色の眉斑が目立ち、胸から腹にかけて、白地に黒い斑点が多くある。それに背中が赤褐色に見えるので区別できる。

シロハラもツグミ同様に地面の昆虫や虫を食べているようだが、開けた広い田んぼではツグミしか見かけない。しかし、このような山の近くの田や畑ではシロハラが来ているので、時々このような争いが起こる。ツグミ同士では取っ組み合いを見たことがないのに、どうしてだろう。

 

(2008年3月2日記)

 

野鳥観察の楽しみ

身近な野鳥 「大きな群れのミヤマガラス」 2008年03月

野鳥観察の楽しみ(六十六)

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写真はミヤマガラス(‘08.2.3,東広島市原)〔Nikon D300, Nikkor ED600mm×1.4, F/5.6S,1/800秒,f/11,トリミング

この冬は時々雪が降り、5cm以上も積もる日が何回かあった。2月3日はやや少なく3cmの積雪。雪の中のミヤマガラスは綺麗だろうと思い、原地域を探した。幸い1月25日にいた場所の近くにいてくれた。

ミヤマガラスは電線に集団で止まるので見つけ易い。電線の上ではじっとして休むこともある(写真)が、ほとんどの時間を身繕いに使っている。時には頭をさげ、次に尾を高くあげ、扇のように広げてカラララ、カラララと鳴く。動作の割には小さな声である。

ミヤマガラスは普通のカラスと見過ごされ易いが、大きなカラスの群れがいると、ミヤマガラスではないかと疑うとよい。特徴はハシボソガラスよりやや小さく、嘴(くちばし)が尖っていて、根元が白い。おでこがハシブトガラスのように出っ張っているので見分け易い。

ミヤマガラスは冬鳥としてやって来るが、原地区から下見地区にかけてのような広い田んぼで餌を採る。規制緩和が進み、この地域にも家が建ち始めた。このまま開発が進めば、彼らの姿を見られなくのるのではないかと危惧される。
 

(2008年2月19日記)

 

野鳥観察の楽しみ

身近な野鳥 「松林のビンズイ」 2008年02月

野鳥観察の楽しみ(六十五)

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写真はビンズイ(‘08.1.10,広島大学構内)〔Nikon D100, Nikkor ED600mm×1.4, F/5.6S,1/400秒-f/6.3,トリミング〕

久しぶりに訪れた生態園の松林は綺麗に下刈されていた。足を踏み入れると、小鳥が数羽、地面からサッと飛び立ち、松の枝に止まった。スズメかと思ったが枝の上で尾を上下に振っている。ビンズイだ。

暫くすると、一羽、また一羽と地面に降りている。ゆっくりと近づいてみると、ビンズイは忙しく地上の餌を探して歩き回り、少しもじっとしていない。しかし、上空をヒヨドリが鳴きながら通り過ぎると、サッと身を伏せる(写真)。

ビンズイはタヒバリと本当によく似ている。ビンズイには眉斑の後ろに白色斑があるので区別される。頭から背中にかけてはオリーブ緑色に見え、タヒバリのオリーブ褐色よりやや緑色味が強い。胸から脇は淡バフ色で黒い縦斑がある。

ビンズイは冬鳥としてやって来て、このような開けた林でよく見かける。この時、他にアトリ、シメ、ヒヨドリ、メジロ、エナガ、コゲラがおり、それに細い川からコガモ4羽が飛び立った。近くのブドウ池を覗くと、その周囲の林の一画の立木が綺麗に伐採され、今まで多数来ていたカモが激減しているので驚いた。
 

(2008年1月17日記)

野鳥観察の楽しみ

身近な野鳥 「内陸部にハマシギ」 2008年01月

野鳥観察の楽しみ(六十四)

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写真はハマシギ(‘07.10.19,18時38分,八本松町)〔Nikon D100, Nikkor ED600mm×1.4, F/5.6S,1/125秒-f/6.3,トリミング〕。

内陸部にハマシギが訪れることは珍しい。シギ・チドリの観察者K氏によると、この11年間で今回が3度目だそうだ。その上、もしかしてサルハマシギかも知れないとの連絡を受け、急いで駆けつけた。

見ると、ハマシギ2羽が今期3度目になるウズラシギ2羽と一緒に、先を争うように、一心に餌を啄ばんでいる。ウズラシギと同様に忙しく歩き回り、頭を絶えず動かしているので、なかなか写真に納まらない。

ハマシギの冬羽は上面が灰褐色に見え、下面は白い。胸は白く、薄い灰褐色の縦斑がある。目の上の白い眉斑がめだつ。黒くてやや長い嘴は少し下方に曲がったように見える。足が黒いので、黄色の足のイソシギと区別できる。

この秋はジシギをはじめシギ・チドリの種類も数も少ない。夏は猛暑が続き、いつまでも残暑が厳しく、秋の訪れが遅かった。これも地球温暖化と関係しているらしい。このたびのハマシギやウズラシギの訪問が気象変動と関係していないことを祈っている。

 

 

 

(2007年10月20日記)

野鳥観察の楽しみ

身近な野鳥 「ようこそウズラシギさん」 2007年12月

野鳥観察の楽しみ(六十三)

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写真はウズラシギ(‘07.10.11,八本松町)〔Nikon D100, Nikkor ED600mm×1.4, F/5.6S,1/40秒-f/6.3,トリミング〕。

「ようこそウズラシギさん」~5000キロの旅の途中、東広島へ~の見出しで読売新聞10月11日付けの広島版に私の写真が掲載された。秋にウズラシギが旧東広島市内で観察されることは稀で、この11年間でこれが3度目だそうだ。

このウズラシギさん(10月7日発見)は到着間もなかったのか、大変お疲れの様子で、ずうっと眠っていた。しかし、翌日にはいなかった。ところが、11日に1日だけ1羽、18日朝から19日夕方まで別のウズラシギ2羽を確認した。

ウズラシギは全体的に暗赤褐色に見え、下面は白い。胸は薄い赤褐色。頭は濃い赤褐色の地に、黒色斑が縦縞に見える。3回目の2羽は内陸では珍しいハマシギ2羽と連れ添ってきた。この4羽は水田の中で忙しく餌を採っていた。

秋の旅鳥は滞在期間が短く、そそくさと去って行く。そのためか、人の目にとまることが少ない。にも拘らず、その貴重な一瞬に遭遇し、あたかも、秋の夜の流れ星を見たような気がしている。

(2007年10月20日記)

野鳥観察の楽しみ

身近な野鳥 「上空を渡るハチクマ」 2007年11月

野鳥観察の楽しみ(六十二)

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写真上はハチクマの旋回(‘07.9.22,西条町)〔Nikon D100, Nikkor ED600mm×1.4, F/5.6S,1/500秒-f/8。下はハチクマ (‘07.9.22,西条町)〔Nikon D100, AF,VR,Nikkor ED80-400mm, 1/640秒-f/6.3,トリミング〕。

「アッ、出た!」「どこ、どこ、どこ!」「あそこの雲の切れ目から、ホラッ、出るよ!」「これはスゴイ!」「「大群だ! 1、2、3、‥‥‥。」 あたりは騒然となる。毎年観測している竜王山の頂上。

 今年は会員の他に、バードウオッチング入門講座生、一般の方にも参加を呼びかけ、総勢40名弱。頂上は歓声で埋め尽くされる。やっと昼食にかかったところだが、それどころではない。

 発見時は遠くて肉眼では針でついたくらいの点だ。だんだん近づいてくるのを双眼鏡でよく観察して、ハチクマと断定する。多くの群れがわれわれの上空やや西で、旋回し、タカ柱となる(写真上)。高く、高く上り、西南西に向けて一気に流れて行く。

 ワシ・タカの識別は難しい。しかし、ハチクマは幅の広い翼に、スマートな頭をしている(写真下)。下面が白いのだが、上空では黒っぽく見える。この日は他にノスリとサシバが1羽ずつ渡った。いずれもハチクマより小さい。

 

 

(2007年9月24日記)

野鳥観察の楽しみ

身近な野鳥 「ソリハシシギの渡り」 2007年10月

野鳥観察の楽しみ(六十一)

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写真はソリハシシギ幼鳥(‘07.8.22,安芸津町)〔Nikon D100, Nikkor ED600mm×1.4, F/5.6S,1/500秒-f/8, トリミング〕。

  今年は残暑も厳しく猛暑が続いている。今日は二十一節気の一つ処暑、新涼が間近いとの事だが、その気配はない。しかし、内陸部ではシギ・チドリたちが早くも動き始めている。沿岸部はどうだろうと安芸津の高野川を訪れた。

 ホウロクシギが1羽、ソリハシシギ2羽、キアシシギ4羽、シロチドリ1羽、コチドリ2羽、イソシギ1羽を確認した。近くでウミネコが26羽水浴びをしていた。この時期のシギ・チドリの中には幼鳥が多い。

  ソリハシシギはキアシシギよりやや小さく、シロチドリやイソシギより大きい。嘴が長く上に反っているのが特徴。頭から体の上面は灰褐色、下面は白い。足の色が橙黄色であるのも足の黒いオオソリハシシギとの区別のポイントとなる。

 中継地での生活は本当に忙しく、常に餌を求めて動き回っている。長い嘴を穴の中に深く差し込み、蟹を捕まえる。泥が付いていると、海水で洗って食べる。渡りには相当なエネルギーが必要で、その補給に余念がない。

 

(2007年8月23日記)

野鳥観察の楽しみ

身近な野鳥 「渡り始めたコチドリ」 2007年09月

野鳥観察の楽しみ(六十)

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写真は上、コチドリ成鳥(‘04.4.6,八本松町原)〔Nikon D100, AF,VR,Nikkor ED80-400mm, 1/800秒-f/6.3,トリミング〕。下、コチドリ幼鳥(‘07.8.6,八本松町原)〔Nikon D100, AF,VR,Nikkor ED80-400mm, 1/500秒-f/8,+0.7EVトリミング〕。

  今年の夏は猛暑が続いている。しかし、暦の上では8月8日が立秋。こんなに暑くても旅鳥は渡りを始めるのだろうかと心配だった。ところがこの日、西条町の田んぼの溝で、クサシギを1羽見つけた。そして、それは3日後に姿を消した。

 お盆の14日にはコチドリ6羽をクサシギのいた近くで見つけた。成鳥が1羽、幼鳥が5羽。16日までこの1団を確認したが、18日にはいなかった。が、同じ水田にタカブシギを1羽確認。鳥たちは確実に渡りを始めている。

  コチドリはムクドリよりやや小さく、体形はやや扁平にみえ、幅が広い。頭や背中が褐色で田んぼの色にとけ込み見つけにくい。目の回りの金色(アイリングと言う)がはっきりしていて、他のチドリ類と区別し易い。

 しかし、幼鳥はアイリングがはっきりせず、胸の帯が切れているものもいて、シロチドリと似ている。しかし、額部分も褐色、足は黄色をしているので区別できる。コチドリは集団でいるにも係わらず、採餌中、他の個体が近づき過ぎるとピッピッと言って追い払う。

 

(2007年8月20日記)

野鳥観察の楽しみ

身近な野鳥 「大型シギのチュウシャクシギ」 2007年06月

野鳥観察の楽しみ(五十九)

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写真はチュウシャクシギ(‘07.5.4,安芸津)〔Nikon D100, AF-S Nikkor ED 600mm×1.4,F4D, 1/350秒-f/6.3,トリミング〕

  大形シギが18羽も群れて飛ぶ。ホイホイッ、ピイピイピイピイッと言っているように聞こえる。狭い湾になった河口をくるくると回って、近くの磯に降り立った。チュウシャクシギだ(写真)。ここ安芸津町は2007年2月から東広島市になった。

 チュウシャクシギは冬、遠くアフリカ大陸からインド、ニューギニア、オーストラリアまで移動し、夏はシベリア大陸からアラスカまで渡ると言う。日本には旅鳥として沿岸部を通過する。内陸の旧東広島市内では観察例がない。

 チュウシャクシギは大形なシギで、大きな嘴が下に湾曲している。全体的に薄い茶褐色で、頭が濃い茶色。頭部中央を縦に薄いクリーム色の線(頭央線)がある。主に蟹を食べているようで、足や爪部分を口でもいで胴部分を食べる。

 今年5月はチュウシャクシギとよく逢った。3日に柳井で、4日に安芸津、6日に地御前海岸や八幡川河口で、どこへいっても群れを観ることができた。この時、安芸津で撮影した映像がNHKの I Love ビデオで放映された。

(2007年6月2日記)

野鳥観察の楽しみ

身近な野鳥 「渡りの途中のサシバ」 2007年05月

野鳥観察の楽しみ(五十八)

東広島の野鳥と自然に親しむ会
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サシバ
写真はサシバ(‘07.4.24,奄美大島)〔Nikon D100, Nikon フィールドスコープ 1000mm相当, 1/10秒-f/13,トリミング〕

 渡りの途中のサシバに出会えた。鳥仲間と4月の下旬、奄美大島の探鳥旅行に出かけた時のことである。住用のマングローブの林にいた(写真)。実はもう東広島市にもやって来ていた。

 サシバは冬、東南アジアで過ごす。日本には夏鳥として本州以南に渡ってきて繁殖する。私は夏には稀にしか会っていないが、秋の渡りのときハチクマに混じって上空を流れるように飛んで行くのを良く見る。

 サシバはハチクマよりやや小さく、飛んでいる姿を下から見ると白っぽい褐色で、翼色が透けて見える。止まっている時には白い眉斑がはっきりしていて、喉に黒褐色の縦斑が目立つ。

 合併して同じ市内となった安芸津町に海辺の鳥を見に行った。そこで逢った鳥仲間のKさんが毎年サシバのやって来ている場所に案内してくれた。幸運にも上空を舞うサシバに会えた。奄美に行く前から来ているとの事だった。 

(2007年5月4日記)

野鳥観察の楽しみ