「ダイオウイカは知らないでしょう」と「脳は0.1秒で恋をする」 2011年02月

ダイオウイカは知らないでしょう

西加奈子、せきしろ/ マガジンハウス 発行

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 短歌初心者の2人がお題をもとに短歌に挑戦!! 雑誌「anan」の連載『短歌上等!』をまとめた一冊です。「5・7・5・7・7」の中に作家ならではの「ことば」の世界が詰め込まれています。真剣に取り組んでいるのかな?と疑いたくなるような歌もありますが、どれも一味も二味も違った個性的なものばかりです。
 自分はせきしろさんの無気力で妄想に溢れた作風が好きで購入しました。しかし西さんがかなりおもしろい!! お題に沿って一首詠んでみたらどうでしょうか?(サン)

 

「脳は0.1秒で恋をする」~「赤い糸」の科学~

茂木健一郎/ PHP研究所 発行

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 脳科学者としてお茶の間でも大人気の茂木先生。恋愛ものをどう脳科学と結びつけて書くのかと興味津々で購入した。感情論で書かれた本や恋愛についてのハウツーが事細かに書かれた本はたくさんあるが、この本はとにかく恋愛のみならず、コミュニケーションと脳の関連性にも言及して“わかりやすく”教えてくれる。
 よく言われる「男は別フォルダ」「女は上書き保存」の法則を脳科学から説明することに始まり、理想のパートナーということにも「自分と似ていて共感できる人」であると同時に「自分とは全く異なる側面をもっている人」と明確に答えてくれてもいる。結局は自分に欠けている所を相手が補ってくれる“ベターハーフ”(相手の方が自分よりもよい半分である)の関係が癒しとなり、全体性が回復するのだそうだ。
 とにかく最初から最後まで一気に読めてしまう1冊であり、脳科学がグッと身近になること間違いなし!(デミ)

今月の気になる本

「ロックと共に年をとる」と「空想科学読本3」 2011年01月

ロックと共に年をとる

西田浩 /新潮社 発行

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 若い頃は、ラジオから流れてくるロックを追いかけるようにして聴いていたが、歳をとるにつれ、ロックが退屈なものになってきた。本書によると、中年以上のロック離れはけっこうありがちなことらしい。
 本書は音楽担当の新聞記者である著者が、海外のベテランミュージシャンを相手にこなされた数々の取材にまつわるエピソードが紹介されたもの。加齢とともにスランプ状態にあったミュージシャンたちが、ここ数年、大人の魅力を備えたミュージシャンとして、続々と復活。以前ならばあり得ないようなミュージシャンも来日し、ミュージック・フェスティバルで観れるかもしれない時代が到来しているのだという。本書を読んで、またロックがおもしろくなりそうだと思った。(哉)

 

空想科学読本3

柳田理科雄/ メディアファクトリー 発行

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 子供の頃、アニメや映画を見て「実際こんな事出来たらいいなぁ」「こんなものが実在したら乗ってみたいなぁ」と夢を膨らませた事が大半の人、特に男性の方にはある事でしょう。
 最近実写映画化もされた「宇宙船艦ヤマト」。彗星帝国の宇宙支配計画はホントに実現可能なものだったのか!
 「ルパン三世」の登場人物、石川五右衛門の持つ「斬鉄剣」。飛んでくる銃弾や巨大な車すら真っ二つに切り落とすが実際にそれは可能なのか! などいろいろな事例を現実の科学や物理法則に照らし合わせて予測、研究したのがこの本。空想科学の実態が笑いと感動を呼ぶ一冊になってます。(山本)

今月の気になる本

「人生の重荷を軽くする40のヒント」と「毎日が冒険」 2010年12月

人生の重荷を軽くする40のヒント

加藤諦三/PHP研究所 発行

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  当たり前のことなんだけど、改めて受け止めてみると印象深い言葉がたくさん出てくる。
 私は困難な状況にぶつかった時に、この本の中にあるフレーズが自然と思い返される。
 全ての人間関係を上手く回そうとして、結果出来なくて、傷ついたり悩んだことがあった。でもこの本に出会ったことで、良い人間関係だけを持続できればいいのだと思えるようになった。仕事に対しても今までは、やらされているのだと感じていた。でも自分がやったのだと思うように切り替えることでストレスが激減するのだと、この本は教えてくれた。
 このように考え方一つで自分の心も身体も健康でいられる。そんな意味でもこの本は重荷を軽くしてくれるヒント満載なのである。(B)

 

毎日が冒険

高橋 歩/ サンクチュアリ出版 発行

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  ある一人の男子高校生が「俺の夢って何なんだろう?」「やばい、このままじゃずるずるとかっこ悪い大人になっちゃう!」と思い悩むところから始まります。
 彼は普通を絵に描いたような人物なのですが、ただ一つ人とは違うことがありました。それが、行動力と根性です。本気でカウボーイになろうと単身アメリカに行ったり、あやしい自己啓発セミナーに参加したり、大学在学中に仲間とバーを始めたり、サイババに会いに行ったり…荒唐無稽な内容ですが、もっとも驚きなのがこれらがすべて「実話」であるということ。この本を読んだとき、きっと気づきます。この何気ない日常もあなたの冒険の日々だということを。(元)

今月の気になる本

「流星ワゴン」と「くじけないで」 2010年11月

流星ワゴン

重松清著/ 講談社文庫 発行

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 「36才のぼくが、36才の父親に出会っていたら、ぼくたちは友達になれただろうか」
 作者の、そんな考えから書き綴られた小説です。
 この小説を読み終わったとき、普通に楽しめたのですが、それでも20代の私にはまだ読み切れていない部分があると感じました。きっとこの小説は自分が30才か40才、もしくは父親になった時にもう一度読むと、また違った表情を見せてくれる。家族間の大切な何かに気付かせてくれるそんな父と子の物語なのだと思います。
 ストーリーとしては、不思議なワゴン車が~となるんですけど、私的には冒頭に書いた「36才のぼくが36才の父親に~」の作者の言葉だけで充分に読みたくなれる小説なのではないかと思いますので、気になった方は是非どうぞ。(尚)

 

くじけないで

柴田トヨ著/ 飛鳥新社 発行

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 友人にいい本があるよ、それにとても読みやすいと勧められた。
 日々の生活の言葉がある。同じ思いの言葉がある。一言ひとことが心にしみこんでくる。
私を取り巻く優しい子供たちや、友人たち。それに加齢とともに不具合はあるが、健康な体。感謝しなければ。ついカッとなって人を傷つけてしまう…私も今日から“その人の心の中を訪ね ごめんなさいといいながら 消しゴムとエンピツでことばを修正”していきます。
 私も日々感じた事を書きとめて『詩』を書いてみたいと思わせてくれる1冊でした。(もん)

今月の気になる本

『最後のストライク』と『もしドラ』の2冊 2010年10月

最後のストライク

津田晃代著/ 幻冬舎文庫 発行

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 私は普段あまり本を読まない。でも、そんな私に本の楽しさを教えてくれたのがこの本だ。私は家の本棚にあったこの本を手にし、ペラペラとめくってみた。そうすると気付けば全体の5分の1ページも読んでいた。
 私はこの本の主人公、津田選手を見たことはないが、この本を読むことでこの人の人生を見ることができた。広島東洋カープで活躍した選手だが、病を患い、思い通りの野球が出来なかった。でも一つの事に対して一生懸命で諦めない姿勢を持ち続け、大きな壁にぶち当たっても乗り越えようとする生き方がとても勉強になった。まだ、社会人になって5ヶ月の私。これから色々な壁に当たると思うが津田選手のように真っ直ぐ前を見つめ、どのような困難な状況でも諦めない人間になりたい。そう感じることの出来る本だった。(G)

 

もし高校野球の女子マネージャーが『ドラッカー』のマネジメントを読んだら

岩崎夏海著/ ダイヤモンド社 発行

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  この出版不況の中、100万部を超える大ヒットとなった小説である。四十路前のおぢさんが書店で手にするには躊躇するほど可愛すぎる表紙の絵だが、アメリカの経営学者、ピーター・F・ドラッカーの名著『マネジメント』をわかりやすく解説している、というので勇気を出して購入し、読む事にした。
 甲子園出場を目標に掲げ高校野球部の“マネージャー”となった主人公の少女が、本屋で勘違いして『マネジメント』を買うところから物語は始まる。野球部の状況を例にしたマネジメントの解説と、彼らの成長物語が丁寧に描かれており、ビジネス書はちょっと、という人でも軽く読める。組織、グループ等のリーダー的立場の人、又はそうなろうと思う人は、息抜きに読んでみてはいかがだろうか。(高)

今月の気になる本

『竹取物語(全)』『行動することが生きることである』の2冊 2010年09月

ビギナーズ・クラシックス日本の古典
竹取物語(全)

青木 誠一郎 著 / 角川学芸出版 発行

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 最初に触れたのは幼稚園の時。次に触れたのは高校の古典の授業。先月本屋でたまたま見つけ、懐かしく思い購入した。古文と現代語訳、コラムを交えて書かれているので、時代背景もわかり勉強になる。竹取物語の今までとは違った見方が出来るような形になっている。自分も読んでみて今までとは違った見方が出来た。「かぐや姫の良さはどこなんだ?」と感じた。見たことのない相手に自分は求婚出来ない。自分は最初に出てくる野次馬の一人にしかなれないだろう。現代だと顔も見たことのないメール相手に告白するようなものだろうか。
 かぐや姫と聞くと、子供の時には悲しいお話のように感じていた。成長した分、考えていろんな角度から読むことが出来る。

 

生き方についての343の知恵
行動することが生きることである

宇野 千代 著 / 集英社 発行

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 人生は凡てのことにのぼせなければならない…のぼせていると何事をするのにも、することに勢いがつく―。のめりこむことを“のぼせる”と表現する所に素朴さを感じる。
 この本は著者が91歳の時に書いた1冊。波乱万丈の人生経験から紡ぎ出される言葉の数々に、誰もが頷くこと間違いなし。最近メディアでも著者自身の人生にスポットを当てた特集番組も放送され、話題を呼んでいる。4回の結婚に至る数々のエピソードも有名であるが、98歳で亡くなった今も尚、多くの人々に支持されるのは著者の生き方に今を生きるヒントがあるからだろう。行動しないことは何もしないことと同じ。迷い立ち止まっている人も今日から行動を起こしていこう! 

今月の気になる本

編集者の仕事 2010年08月

柴田光慈 著
株式会社新潮社  発行(新潮新書)
 

 編集者の仕事とは、良い本を作ること。良い本とは読みやすい本であり、本の読みやすさは編集者の技量によって決まるという。文字のポイントや本文の余白の指定、表記の確認など、編集者が担当する部分は必ずしも目立つ部分ではないが、編集者がいかに気を配っているかが、本の出来を決定的に左右するというのだ。読書中、何となく読みにくい本だと感じたら編集者の手が行き届いていない証拠。
 当社は自費出版のお手伝いをしており、私も担当したことがあるが、基本的な知識をはじめ編集に対する姿勢等、自分の仕事に多々反省すべき点があることを悟った。
 本書は、編集者がクリアするべき点が網羅され、わかりやすく説明されている。新潮社の編集者であった著者だけに説得力がある。それは、出版という歴史の中で積み重ねられてきた編集という仕事のたどり着いた地点を示したものであるといえるものだろう。
 本作りには関わりのない一般の読者にとっては、本書を読むことによって、手もとの本がどのように工夫して編集され作られているか味わう楽しみも生まれるはずだ。
 また、著者が担当したいくつかの本の楽屋裏も語られており、楽しい。(哉)

今月の気になる本

桜天蓋 2010年07月

妙義山倫氏(田村倫子) 著
有限会社 文化評論 発行
 

  繊細ゆえに自分の芸術を見失うのをおそれ、田舎で隠遁生活を送っている画家、西洞惟也。彼のもとに、大学時代の恩師が訪ねて来るところから、このお話は始まります。恩師の語った、「幾年にもわたって生者に訴える、怨念のような死者の苦しみ」にまつわる話に、惟也は心を奪われます。恩師と別れた後、旅に出た彼は、旅の僧侶と出会い、まさに「幾年にもわたって生者に訴える、怨念のような死者の苦しみ」を思い知ることになります。
 現代から過去へ、過去から再び現代へ。日常から逸脱した幻想的な体験を通して、主人公の惟也は、自分の進むべき道を発見する…。変転する時制を読み解きながら、頁を繰っていくうちに、日常とは別の時間の流れ作品=著者の精神世界に取り込まれていることに気づくでしょう。
 何度かの打ち合わせでご一緒した著者の田村さんは、幻視者というか、不思議な雰囲気を醸し出している方。絵のお仕事をされ、本書の表紙の絵も田村さんご自身の筆によります。
 [自費出版本]→[お金を出しさえすれば誰でも出版できる]という図式が、多くの人の頭に浮かぶかもしれません。本書は当社から自費出版された本ではありますが、編集に関わった者の一人として、上記のような図式では定義することのできない本であると思っています。(哉)

今月の気になる本

広告  人はなぜ、再びものをつくりはじめたのか? 2010年06月

発行:株式会社博報堂
 

 ウラが白いチラシを何枚か折って、厚い紙でくるみ、ホッチキスで留める。表紙に、色紙を貼り付ける。野暮ったいが、自分なりに愛着のわくノートになる。こんなことに夢中になる自分も、本書のテーマである『生産する生活者』かもしれないと思う。
 お気に入りのノートができると、人に見せたくなる。それを使いたいと思ってくれる人はいるだろうか?
「プロとは、「依頼がある人」のことです」と、作詞家の秋元康が書いている。『つくる』という行為と、『プロか、否か』の問題は、くっついているらしい。
 「好きだから」・「ひとりで」・「社会現象を」・「企業や組織と一緒に」・「みんなで」・「新しいしくみ」を「つくる」…。『生産する生活者カタログ』という記事で紹介されているのは、プロなのか、プロを越えたアマチュアなのか判然としない人たちも多い。しかし、その曖昧さが最大の魅力。記事を読んで、そう感じた。
 この季刊誌での若い論者たちの議論を読むと、『何かつくりたい』、『消費するだけでは飽き足らない』と思う人たちがことさら増えて来たというよりも、生活者が生産者でもあるということにこだわり、それについて議論される傾向が増して来たとのではないかという気もする。
 しかし、そんな理屈を抜きにして、たくさんの美しい写真が掲載された本書は眺めているだけで楽しい。
『つくって発信する』ことについて、思考と感覚が刺激される『やわらカタい』雑誌だと思う。(哉)

今月の気になる本

広島の復興をたどる写真展「町・人・てんてん」 2010年04月

編集・発行:広島市市民局文化スポーツ部文化振興課
市政資料登録番号:広C3-2009-412  

 広島の復興をたどる写真展「町・人・てんてん」と銘打たれた、広島市制施行120周年・広島平和記念都市建設法60周年記念の写真展(2010年2月17日〜3月22日、広島市各区の文化センターを巡回)で販売された写真集。江波中学校や段原中学校で教鞭をとられた大壇徳一氏が昭和から平成にまたがって撮りためられた膨大な写真を中心として編集されています。
 巡回展に行った時には、年配のご夫婦連れらしい方々ばかりか、若い世代のカップルも数多く来ておられたように思いました。年齢に関係なく、それぞれの方々が自分史と重ね合わせて感慨深げに写真を眺め、同伴の方と懐かしい昔の思い出を語り合っておられる姿が印象的でした。
 現在の感覚ではあり得ない場所(マツダスタジアム近くの平和橋あたり)を走っている機関車、まだ舗装されていない国道や繁華街の道、アーケードのない本通、埋立前の海田湾にカキヒビが立っている、本川川面になだれ落ちるように建っている木造の住宅、セピア色に染まった湯来温泉…。
 昭和のノスタルジーをかきたてられるだけでなく、数十年後、今私が住んでいる町はどのように変貌しているのだろうという空想が膨らむ写真集です。
 それにしても、昔の広島市の空は、ずいぶん広かったんだなあ…。(哉)

今月の気になる本