| 硫黄島からの手紙 | 2007年01月 |
【監督】クリント・イーストウッド
【主演】渡辺 謙
「父親たちの星条旗」と本作品の硫黄島二部作について語るイーストウッド監督を様々なメディアで見かけた。彼が繰り返していたのは『戦争にヒーローはいない』という言葉だった。
ここには戦場にいる人達の、彼らの心を支えていた家族への思いが描かれているが、感傷的な印象はない。激しい爆撃の場面は、人間とはこういうことをするものだという冷めたような視点すら感じた。そして思い出したのがホットドッグを咀嚼しながら淡々とマグナムをぶっ放すハリー・キャラハンの視線。怒りと哀しみが深いあまりに冷淡に見えてしまうあの眼だ。監督はあの眼で映画を撮っている。人間がいとおしくてたまらない、そしてその人間を破壊していくのも人間であることへの静かな憤りが全編に流れる作品である。
(nao)



