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今月の言葉(5月)

「辛いときでも幸せなつもり」       

―山崎陽子 

 五月は、若葉光る。風薫る。希望に満ちた季節である。が、しかし、進学、また社会に巣立った人の中には、新しい環境に馴染めず、心をさいなまれる人もたくさんいる。こんな症状を「五月病」といい、昔から神経症候群と言われていた。
 とくに親元から離れての生活では、ホームシックに陥ったりするのも、「五月病」の典型的なものだろう。
 しかし、現在は携帯電話、インターネットの通信事情、交通、社会経済の事情の変化とその産業の急速な発達などで、ひと昔前の「五月病」の症候群とは、様変わりしている。
 私の身近な周辺の人の話では、せっかく大学に進学したのに、学校に行かなくなった、とか、良い企業に就職したのに、人間関係がうまくいかずに挫折している、ということを耳にする。
 今ごろの若い者は、耐えることができない―などとは言いたくはない。が、たしかに、新しい環境への適応する力がなくなっていることは、事実のようである。
 冒頭の言葉を語っていたのは、山崎陽子さん。彼女は、元、宝ジェンヌのスターで、童話作家、ミュージカルの脚本家。二児の母親でもある。私が彼女の話を聴いたのは、過日のNHKラジオ深夜便の再放送。彼女の現在までの生き方を書けば、一編の長編ドラマである。が、簡潔に紹介すれば、幼いころは、病弱、運動神経も鈍く、人前に出ることすらできなかった内向性。
 その彼女が、読書が好きで、先生から人には、だれにもひとつは良いところがある―、と諭されたことから生きる自信を持ち、宝塚歌劇のスターまでに。そして子どもを育てながらの主婦生活からユニークな発想をもとに、童話を書くまでになったという。
 その彼女が、「自分史」から学び、身につけたのが、「辛いときでも幸せなつもり」の人生観である。さらに人には、それぞれひとつは良い点があることをモットーに、他人への思いやりを持つことを座右の銘にしているそうだ。
 私が感心したのは、彼女の生き生きした語り。辛いことを幸せだと受け止め、明るく耐える処世術である。

 若い諸君―挫折する前に、もう一度踏みとどまって考えよう。
 「辛いときでも幸せなつもり」で―。
 これは、私たちの処世術にも言える言葉。

 

(風彦)

 

※山崎陽子さんのサイトは、
 http://www.yoko-world.com/index.html
 エッセイ集に「しあわせは、いつも いま」(二〇〇四年二月)など。 

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2007年05月15日 17:46に投稿されたエントリーのページです。

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