今年に入って、ホームページを新しくしたせいか自費出版の受注や問い合わせが多くなっています。
その中で多いのは、既に亡くなった身内、お父様やお母様が残された日記や書簡をまとめたいという要望です。相談しにこられる方も五十才代から八十才代の年代で、そろそろ身の回りを整理するのに、捨てるに捨てられないし、そのままおいておいても子や孫も困るだろうし、それよりも何よりも、父や母のことをきちんと形に残しておかないと心残りなのだという方たちです。
ある方は戦争で亡くなった弟さんの書簡を本にされました。あとがきの中に『私も八十六歳になり、足腰も弱り、どこにも車椅子でしか行く事ができなくなりました。この本は○○○の供養のため作りました。あの戦争で二十一歳の若さで亡くなった弟に最後にしてやれることです。』とあります。
又、ある方は昨年お亡くなりになられたお母様の事を本にされました。『母は折りに触れて自分の思いや旅行記をノートに書き留めておりました。全く稚拙な文章ですが、一語一句がいとおしく思え、思い切ってこの度本にまとめることにしました。母に縁のある人々に見ていただければ嬉しく思います。』とあります。本が出来上がった時には、本当に喜んでいただきました。こういう仕事に携わって本当に良かったと思える瞬間です。
実は私にしても二十五年前に七歳で亡くなった娘が残した絵やノートを、どうしても捨てられずダンボールにまとめ押入れの上段に収めこんでいます。しかし、自分もそろそろ還暦が近づきなにもかも整理しなくてはいけない年代になりました。いつか一冊の本にまとめておいて、国会図書館に一冊、家族に一冊、自分の棺おけに一冊いれるというようにすれば、本当に心残りなくもろもろのすべてを処分できるので、いつかそうしたいなと思っています。
弊社で作った本は、必ず国会図書館に一冊収めます。又、自費出版ネットワークにも載せていきます。書店に並べるということはあまりお勧めしていません。
心残りを整理し、国会図書館と家族に残していく、そんな本つくりのお手伝いをこれからも続けて参りたいと思っております。