【監督】ポール・ハギス
【出演】トミー・リー・ジョーンズ、シャリーズ・セロン、スーザン・サランドン
イラク任務から両親の元に戻るはずの青年が、帰還直後に消息を絶ち遺体で発見された。事件の扱いに消極的な軍と警察の協力が得られない中、退役軍人の父親と一人の女性刑事がその真実を探し求める。事件に関わった兵士達の証言はまさに「藪の中」。それに翻弄される一方で、旧式の銃のような風情の父親が息子から届いたデジタル映像の謎を解く。ようやく辿り着いた真実に、映画を観る私たちは父親と同じようにそれを受け入れられず、また何を恨めばいいのかも分からない痛みを味わうことになる。
深い悲しみの漂うこの作品を温かくしているのは、題名にも関係する女性刑事の息子が登場する場面だ。息子を亡くした父親と父親のいない息子の会話は、心の中に埋まらない隙間を抱えながら生きていくことへの諦めと希望を、静かに交感し合っているように思えた。
(nao)