« 雑感(2) | メイン | 今月の写真 »

今月の言葉(2)

反省とは知恵を得ること

            ―鈴木秀子、聖心女子大名誉教授 

 「シスター鈴木秀子の愛と癒しの366日」(海竜社発行)を読んでいたら、二月二十四日のページで表題の言葉を見つけた。
 「反省とは後悔することではありません。ひとつの体験を通して知恵を得ることです。あのやり方は悪かった。あの行動は失敗だった、と気づきます。その気づきを生かすのです」(中略)―。この言葉を読んだとき、先年、亡くなった長沼健さん(元.日本蹴球協会会長)の言葉を思い出した。長沼健さんは、私と同年代、同じ広島県出身で、東京在住の新聞記者時代に「健さん」と呼ぶ昵懇の仲で新聞社の専属評論家にもなってもらっていた時代だった。
 「勝った試合よりも負けた試合から学ぶことが多くある」が持論。最近では楽天の監督時代の野村克也さんもボヤキのコメントで度々語っていた。
 二人とも一時代を築いた“知将”であるが、私の知る限り、プロ球界では、水原茂、三原郁、鶴岡一人、西本幸雄などの“名将”たちも異口同音ながら敗戦の弁を述べていた。
 これは勝負の世界でもさることながら、人生でも言えること。
 鈴木秀子女史が、そのへんのことを諭したのも頷ける。彼女は、現在、聖心女子大名誉教授。若き時代に八年間修道院で修行した異色のクリスチャン。同著のあとがきには「深い知恵は自分の中だけでとどめておくとすぐ消えてしまいます。浮かび上がってきたらすぐつかまえて身につけると、あなたの素晴らしい財産となります」(後略)
 この財産は、金では買えない宝。その宝を磨くため、この宝を他の人と分かち合う場をもつことだ、と説く。
 私は考えた。この言葉は即座に“野村カープ”にも言える。
 Bクラスに四年間低迷した“ブラウンカープ”から生まれた反省は、野村新監督の知恵?   でハードな練習の復活だった。
 しかし、ここで懸念されるのは、ブラウン野球から野村野球へのモデルチェンジが円滑に切り替えられるか。赤ヘル黄金時代のバックボーンは「練習ハ不可能ヲ可能ニス」(大野)練習場の石碑=元、慶應義塾大学長小泉信三氏の言葉)であった。高橋慶彦、山崎隆造、正田耕三らプロ球界を代表するスイッチヒッターの誕生がそうだった。
 知恵から生まれた財産=宝を監督、コーチ、選手が互いに磨く場があったからだ。
 私は、敬虔なキリスト信者ではないが、おりにふれて読む「シスター鈴木秀子の愛と癒しの366日」には教えられる。

(風彦)

About

2010年02月05日 18:43に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「雑感(2)」です。

次の投稿は「今月の写真」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。