発行:株式会社博報堂
ウラが白いチラシを何枚か折って、厚い紙でくるみ、ホッチキスで留める。表紙に、色紙を貼り付ける。野暮ったいが、自分なりに愛着のわくノートになる。こんなことに夢中になる自分も、本書のテーマである『生産する生活者』かもしれないと思う。
お気に入りのノートができると、人に見せたくなる。それを使いたいと思ってくれる人はいるだろうか?
「プロとは、「依頼がある人」のことです」と、作詞家の秋元康が書いている。『つくる』という行為と、『プロか、否か』の問題は、くっついているらしい。
「好きだから」・「ひとりで」・「社会現象を」・「企業や組織と一緒に」・「みんなで」・「新しいしくみ」を「つくる」…。『生産する生活者カタログ』という記事で紹介されているのは、プロなのか、プロを越えたアマチュアなのか判然としない人たちも多い。しかし、その曖昧さが最大の魅力。記事を読んで、そう感じた。
この季刊誌での若い論者たちの議論を読むと、『何かつくりたい』、『消費するだけでは飽き足らない』と思う人たちがことさら増えて来たというよりも、生活者が生産者でもあるということにこだわり、それについて議論される傾向が増して来たとのではないかという気もする。
しかし、そんな理屈を抜きにして、たくさんの美しい写真が掲載された本書は眺めているだけで楽しい。
『つくって発信する』ことについて、思考と感覚が刺激される『やわらカタい』雑誌だと思う。(哉)