« 雑感(8) | メイン | 今月の写真(8) »

今月の言葉(8)

「祈りと鎮魂」

散華した救国志士の“祥月命日”の月

 第二次世界大戦で亡くなった人は、約三百万人。救国の志に燃えて逝った人たちのこころを思うとき、胸の痛みを覚える。
 八月は大和民族―日本人―にとっては、“祥月命日”の月である。六日、九日、廣島、長崎での“原爆忌”であり、十五日は終戦記念日の“敗戦忌”。主要都市が戦争で、廃墟と化した。いまその当時を知り、語る世代の人は、少なく、高齢化。戦争を知らない世代になった。
 あの三月の東日本大地震による甚大な災害に匹敵、いやそれ以上の災害―戦災―だった。
 そこから日本は立ち上がり、紆余曲折の中、世界の一、二を争うまでに復興、再生した。私たちは、そうした先人の犠牲の上に現在の平和を共有していることを認識しよう。
 平和への祈り、犠牲者への鎮魂…。「ノーモア・ヒロシマ」「ノーモア・ウォーズ」を高らかに、全世界へ向けてアピールを。
 過日、「日本人のわすれもの」(石井英夫著=産経新聞出版)を再読。俳人・宇咲冬男とドイツのパートナウハイム市の「バラ博物館」館長のサビーネ・キューブラ女史とは俳句の師弟関係。冬男の「薔薇は実に人活き活きと薔薇の町」の句碑が同市に建てられた。そしてこんどはキューブラ女史が来日。「刺の間に薔薇麗しく棲む不思議さ」と詠んだ。原意、そのままのドイツ語との句碑を冬男ゆかりの埼玉・熊谷市の常光院の境内に建てたという。
 トゲは苦しみのしるし、つらいものの象徴。その苦しみの中から美しい花が咲く―。この話を知り、広島の原爆ドーム近くや平和公園内に薔薇が植えてある意味が理解できた。
 広島の平和公園を貫く百メートル道路のふちに植えられている樹木の多くは、各都道府県からの供木。人類初の原爆による戦災から立ち上がってほしい―全国からの祈りと鎮魂からだったことを思い出した。
 クミコの「INORI~祈り~」の絶唱が聞こえてくる。
 「めぐりめぐり行く季節をこえて/今でも今でも祈っている/二度と二度と辛い思いは/誰にもしてほしくはない/誰にもしてほしくはない」(一節から)―。
 一発の原爆で一瞬に消えた被爆者は…。秋川雅史の歌声でもある。
 「私のお墓の前で 泣かないでください/そこに私はいません 眠ってなんかいません/千の風に/千の風になって/あの大きな空を/吹きわたっています」(後略)―。
 「千の風になって」(新井満の訳詩、作曲)いま、歴史的な国難に思いを寄せて―。

(風彦)

About

2011年08月01日 13:48に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「雑感(8)」です。

次の投稿は「今月の写真(8)」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。