野鳥観察の楽しみ(百十)
東広島の野鳥と自然に親しむ会
環境カウンセラー(環境省登録)
新 名 俊 夫
▲写真はエリマキシギ、(‘11.09.16.東広島市八本松町)〔Nikon D300, Nikkor ED,AF-S 600mm, 1:4 DⅡ,1/640秒,f/6.3, ISO800,トリミング〕
おや?見慣れないシギがいる。ちらっと見て一旦通り過ぎ、彼に気付かれぬよう写真機を取り出し、車をバックさせた。しかし、そこには彼の姿はもうなかった。夕方の帰宅時にはその田んぼの傍をゆっくり通り、隅から隅まで探したがやはり鳥の姿を何処にも見付けることは出来なかった。
次の朝は無駄になっても良いと思って、予め写真機を用意し注意深くその田んぼに近づいていった。いる!首から胸にかけて淡い赤褐色をしているシギだ。図鑑で調べると冬羽になったエリマキシギだ。水を張った田んぼの中に嘴を差し込み、忙しく噛むように嘴を動かしながら餌を探している。
エリマキシギの雄の夏羽は首のまわりに濃い赤褐色の大きな襟巻をしていて、その独特な姿は誰が見ても見間違うことはない。しかし、冬羽は襟巻が取れ、首の色も褪(あ)せて淡い赤褐色に変化している。さらに、この個体は羽縁がはっきりし、ひどく擦り切れているので幼鳥であろう。
東広島ではエリマキシギは比較的珍しく、この10年で3回しか報告がない。訪れる頻度も個体数も少なく今回もただの1羽である。このエリマキシギは常に顔を水に浸けるようにして餌を採り続け、なかなか顔を上げてくれない。ここは車1台がやっと通れる農道、じっくり待つことも憚られ急いでその場を離れた。
(2011年10月23日記)