| 今月の言葉(12) | 2009年12月 |
「誓文払い」
―“罪滅ぼし”の歳末商戦のいまは―
―風彦
一昔前、師走の商店街、デパートでは、「誓文払い」で賑わった。
いつの世でも同じで、歳末になると〝商戦〟は異常にまで活発、激化…。町は狂騒曲で渦巻く。不景気な時代ではなおいっそうである。
近年ではXマスを当て込んだ「Xマスセール」「感謝セール」「歳末バーゲンセール」…。最近では「閉店セール」「特価」「格安30%OFF」。広島では「広島東洋カープ感謝セール」も。チームの成績よりも新球場誕生を祝う記念感謝セールだろうが、さまざまなキャッチフレーズで消費者をひきつける。
「誓文払い」というフレーズはすっかり影をひそめた。現代の若者はこの言葉すら知らないようだ。
知人の学生は「約束を守るためにかわした誓約書を破棄すること?」と答える。
昔の商人(あきんど)の商売手段である。その故事来歴は、辞書にも記載されている。
「近世、陰暦十月二十日。日ごろ商売上の駆け引きに嘘をついた罪を祓い、神罰の放免を請う行事。今でもこの日の前後、京阪の商店は特に安値の売り出しをする」(広辞苑)
「近世以来、十月二十日を含めて数日間、罪滅ぼしと称して京阪の商店では特売などが行なわれる」(大辞林)
要するに商人の罪滅ぼしから始まった〝特価セール〟というわけ。
罪滅ぼしといえば、ファンを裏切った広島東洋カープだろう。「All in」烈を合言葉に今年こそ「CSシリーズ」への熱い願いもむなしく五位。十八年連続Bクラス…。
責任をとってブラウン監督も辞任。(後任は、待望の監督に野村謙二郎さん)。カープにとっては、まさに「誓文払い」―。皮肉にもこの「誓文払い」は、予想外の盛況ぶりで、カープグッズは、億単位の売上げ。新球場の誕生もあって観客動員も百八十七万余…。不況の風もどこ吹く〝顔〟(風)? が、しかし、他のデパート、商店街のあの手、この手の大安売り〝商戦〟も伸び悩みのありさま…。商売の神サマは、商人たちに、日ごろお客サマへの嘘に〝神罰〟を与えたのだろうか?
考えてみると商人の「誓文払い」のこころが、商売繁盛の秘訣かもしれない。過日、読んだ「旧暦はくらしの羅針盤」(小林弦彦著=日本放送出版)で旧暦の知恵を学んだ。
四季の風旧暦に見る師走かな
(風彦)
| 雑感(12) | 2009年12月 |
代表取締役 田河内秀子
今年もあとわずか! あわただしく一日が過ぎていくが、今夜はとても楽しい時間を過ごした。
町内の水野工業所の水野さんのお宅で行われたアコースティックギターのライヴ! 私にとっては見ず知らずの人たち20人余りで、水野さんの同級生、プロミュージシャン茂村泰彦さんのソロライヴを聞いた。いい音楽と美味しい食事、まるで知らない人たちと同じテーブルを囲み、楽しく会話をするというのも、なかなかいいものだ。最近は名刺交換ありきの出会いが多い中で、本当に得がたい時間だった。
又その日は、商工会議所で森まゆみさんの講演を聞いたのだが、これも私にとって実に時を得た出会いだった。森まゆみさんは編集のプロ、聞き書きという方法でたくさんの著書を刊行されている。1984年から2009年までは地域雑誌「谷中・根津・千駄木」を発刊し、その活動の中で建物保存や自然環境の保全運動などを勧め、今では「谷中・根津・千駄木」地域に人が呼べるまでになっているということだった。わが社は「舟入散歩」を始めてまだ1年半だが、少しでも地域の役に立てるような紙面作りを心がけ、この舟入にタニシ企画印刷があってよかったと言われるような会社になっていきたいと思った。
「出会うべき人にはきっと出会う」「人と人はゆっくり知り合っていくのがいいと思う」とその著書「起業は山間から」の中で森さんは言われている。還暦以後の次なる一年、出会うべき人に出会い、ゆっくり知り合って、夢と希望あふれるいい年にしていきたいものだ。
| 身近な野鳥 「大きな冠羽ヤツガシラ」 | 2009年12月 |
きらら浜自然観察公園でアカハシハジロを観察していると、ヤツガシラが常盤公園にいるとの情報が耳に入った。そこは直ぐ近くなので寄ってみることにした。桜の木の下にいるとの話であったので、正面入口から入り、常盤橋を渡って重い三脚を担いで坂道を登った。そこには数人のカメラマンがいた。
ヤツガシラはどこにいるのか尋ね、木の上の葉蔭にいるのをやっと見つけた。カメラマン達は彼の飛び立つ姿を捕えようとじっとカメラを構えて待っている。慌てて私もカメラをセットした。しかし、ヤツガシラはくつろぎ、身繕いをしていて飛び立つ気配はない。カメラマン達には申し訳ないが、お陰でめったに見られない冠羽を立てたところが撮れた。
ヤツガシラはハトより少し小さく、胸から上の部分が橙褐色、普通後頭部には冠羽がたたみこまれていて尖がり帽子のように見える(写真下)。広げると写真上のように実に見事で、名前の由来を想像させる。羽は黒色に白色の太い線模様で良く目立つ。嘴は細長く少し下に曲がっている。小さくて真っ黒い円らな目が愛らしい。
ヤツガシラは昨年の12月6日に西条町三永水源地の芝生の上にいるところを発見されが、直ぐに逃げられてしまったとの事で、私は目にしていない。旅鳥なのでめったにお目にかかれない野鳥である。このように珍しい鳥であるにも拘わらず、常盤公園で会った個体があまりにも人を恐れない様子に驚いたが、これはヤツガシラの気質なのかも知れない。
(2009年11月28日記)
| 大計なき国家・日本の末路 日本とドイツ、それぞれの戦後を分けたもの | 2009年12月 |
ドイツ在住40年にもなるのに、日本国籍を保持し、母国への熱い思いを燃やし続ける筆者が、遠く離れたわが祖国に対し、母のごとき深い愛情と憂慮をもって放った「頂門の一針」である。
| クリスマス・カロル | 2009年12月 |
ディケンズ 著 村岡花子 訳 新潮文庫
金儲けのことしか頭になく、困っている人に一銭も恵んでやろうなどと思っていない、嫌われ者の老人スクルージのもとにかつての相棒マーレイと3人の幽霊が現れた。スクルージは、幽霊たちにつれられて、過去・現在・未来の自分の幻影を目の当たりにすることになる。
子ども時代、ひとりぼっちで過ごしていた自分。青年時代、守銭奴への道を歩み始めたスクルージと、それに愛想を尽かした婚約者とのやりとり。現在、自分をクリスマスパーティーに招待してくれた甥とその家族の中で交わされる自分の噂。そして、未来。ケチで冷酷な男として死んで行った自分のことを悪し様にけなす人々。見たくもない幻を、幽霊たちと見ていくにつれて、スクルージの心に変化が起こる。固く氷のように閉ざしていた心が、自分以外の人間に対して開き始めたのだ。そんなストーリーだが、出現する幽霊のイメージや、幻想的なシーンは150年以上も前に書かれた小説とは思えないくらい、特撮的な表現だ。現在、ディズニーの映画として公開されていることもうなずける。
(クリスマスは)「親切な気持ちになって人を赦してやり、情けぶかくなる楽しい時節ですよ」と、スクルージの甥が言う。
私は、スクルージほどお金への執着心はないが、引きこもりがちな性格なので、もしかしたらクリスマスの晩、幽霊の訪問をうけるかもしれない。怖くもあり、訪ねて来てほしいような気もする。(哉)
| 正義のゆくえ I.C.E.特別捜査官 | 2009年12月 |
【監督】ウェイ・クラマー
【監督】ハリソン・フォード、レイ・リオッタ、アシュレイ・ジャッド、ジム・スタージェス
アメリカ合衆国は移民の国、という。これを理解しておくことが小説や映画を鑑賞する上で重要だという。しかし一つの国に多くの民族が存在しているという状況を、日本に住む日本人の私は実感することができない。それどころか、日本人であることがどういうことなのか、把握することもできない。
この映画の中で移民局のベテラン捜査官が見つめる一人ひとりの物語は、数枚の書類で片付けるには重過ぎるものだろう。1枚のグリーンカードのために多くの涙や血が流され、嘘や裏切りや二度と会えない別れが生まれる。中には要領よく規制をすり抜ける者もいるが、不法滞在者と呼ばれる彼らはみな、自分と祖国とのあり方を強く想っている。ここで示されているのは、遠い国の流浪の民の事情ではない。「この国に住むこの国の自分」を捉えることのできない私のような者に、国境を越える足の重さを刻み込む楔である。(nao)
| タニシ君が行く! Re | 2009年12月 |
| 社員のひとこと | 2009年12月 |
この季節の街路樹の近くに住む人はそうじが大変そうです。 (K)
洗い物をしている時に土鍋を割ってしまいました。これから鍋がおいしくなるのに…。 (山本)
ダルビッシュ有君は、骨折を隠して登板!! 私も精神力の強さを見習いたい。 (Q)
最近気になっているお店は、たまごかけごはん専門店です。 (お)
忘年会シーズン突入!昨年は会社と個人、大小合わせて14回も!!さて今年は? (伸)
今年のクリスマスは何をしてすごそうかなと考えています。 (幸)
年を重ねると新しい事はなかなか…でも今月は一杯吸収したよ~ン。勉強するってやっぱりいいかナ? (モン)
http://twitter.com/funairisanpo (哉)
「イヤイヤイヤイヤ」はY君の口ぐせかと思っていたら、全国的な流行らしい。 (北)
子供が新型インフルエンザにかかり、学校も学級閉鎖になりました。うがい、手洗いをしっかりしましょう。 (千)
恥ずかしながら、またコケてしまいました。 (朝)
すっかり寒くなりましたね。今年こそはコタツを出そうかなと思っています。 (元)
カキの美味しい料理を模索中です。 (B)
インデザイン講習、大変ためになりました。知ってるつもりで知らない機能がてんこもりでした。まだまだ修行の身。改めて感じました。 (高)
やっと寒くなってきた。我が家のシャコバサボテンにたくさんの花芽。今年こそ咲いてね♪ (秀)
| 今月の写真 | 2009年11月 |
東広島の野鳥と自然に親しむ会 環境カウンセラー(環境省登録) 新名 俊夫
| 今月の言葉(11) | 2009年11月 |
カラオケは大衆文化である
─ ご当地ソングが育たない広島事情は ─
―風彦
広島の繁華街の一隅にカラオケ喫茶の店がある。主は先田正光さん。年齢は六十歳。根っからの歌好きが高じて、本職の機械製作所をやめ、音楽学院に通ったほどの人。カラオケ仲間に呼びかけ、地域社会にも貢献しており、数々の感謝状を? 店名は「カラオケ情報ステーション・ひろしま気分」である。
「ひろしま気分」は、歌の題名からつけたもの。今から十年前だった。広島市が広島のイメージアップをはかるため、広島商工会議所観光協会などとタイアップして作詞・作曲家 あき たかし(本名・水野喬)に依頼。歌手も当時、人気のあった田川寿美を起用した演歌であった。しかし、歌のほうは、なぜか全国的に流行しなかった。あき たかし(現在、泉佐野市在住)は、地元民放出身の有能なディレクターで、数多くの作詞作曲を手がけた人。広島での歌謡文化の振興に情熱を傾け、広島では知る人ぞ知る存在。広島港を舞台にした演歌調の「雨の港から」、カープファンの心意気と広島の街を歌った「広島天国」…。郷土広島一筋に歌手活動する南一誠の育ての親でもある。
広島にはご当地ソングが根づかない―、という通説があり、ヒットメーカーの作詞家、石本美由起=故人=(広島)、星野哲郎(山口・大島)の作品もはやらなかった。
美空ひばり、北島三郎、島倉千代子、都はるみ、瀬川瑛子…。著名な歌手が歌ったが、なぜか流行しなかった。印象に残るのは、美空ひばりの「一本の鉛筆」、北島三郎の「尾道の女」ぐらい。いま話題の「安芸の宮島」(歌手・水森かおり)も流行するか、懸念される。ちなみに広島を歌った曲は、戦前からでも四百曲余あるそうだ。それでいて、全国的に流行しないのはなぜだろう。
瀬戸内の海、山、川…。盛り場の流川…。演歌の舞台背景に恵まれているのに、である。
広島は原爆と平和のイメージのせいだというムキもある。しかし、同じ原爆の被爆地の長崎は、「長崎の鐘」、「長崎は今日も雨だった」が一世を風靡?した。広島在住のマスコミの知人は、広島と長崎では文化と歴史の違う点をあげながら、広島の持つ語呂のイントネーションを指摘する。
「すべては大衆の心にどう響くかである」(あき たかし)
カラオケは大衆文化でもある。文化とは「文徳で民を教化する」(広辞苑)意味もある。
十一月は各地で文化事業の花盛り。広島のカラオケ大衆文化を考えてみた。
(風彦)



